セールスプロモーションとは?その種類と手法を解説

セールスプロモーションとは?その種類と手法を解説

マーケティング・販促

売上を伸ばし、利益を積み上げるためには、消費者の購買意欲を刺激して購入へと導く必要があります。こうした販売促進の一連の取り組みが、セールスプロモーションです。セールスプロモーションには、目的に合わせたさまざまな手法があります。この記事では、セールスプロモーションの基本的な知識とその種類、具体的な手法を紹介します。

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セールスプロモーションとは何か

「セールスプロモーション」とは、商品やサービスの売上を伸ばすために、消費者の購買意欲や流通業者の販売意欲を引き出す取り組みです。

英語表記は“sales promotion”、略してSPと呼ばれます。日本語では「販売促進活動」と訳されます。

セールスプロモーションの対象

セールスプロモーションは対象によって、次の3つに分類されます。

一般向けセールスプロモーション

既存顧客や潜在顧客(BtoC・BtoB)を対象とした販促活動です。商品の試用や値引き、景品配布、懸賞などを通じて購入意欲を高めます。

流通チャネル向けセールスプロモーション

卸売業者や小売業者にインセンティブを提供することで、販売意欲を高める取り組みです。売上数量に応じた報奨金や報奨旅行・陳列コンテストの実施、バックリベートといった手法があります。

社内向けセールスプロモーション

営業や販売担当者の意欲を高め、スキルを向上させる施策もセールスプロモーションのひとつです。セールスマニュアルの作成や、社内販売コンテストの実施なども含まれます

この記事では特に一般向けのセールスプロモーションについて解説します。

セールスプロモーションの種類

一般向けのセールスプロモーションには主に4つの種類があります。それぞれの内容と特徴を紹介しましょう。

イベントプロモーション

イベントプロモーションとは、展示会やセミナー、ライブなどのイベントを活用した販促活動です。具体的には、イベント会場へのブース出展、展示、チラシやグッズ、サンプルの配布、相談コーナーの設置などを行います。イベント自体をスポンサードし、企業名や商品名を広くアピールする場合もあります。

多くの場合、イベントの参加者には共通の興味や関心があります。イベントプロモーションは、そのターゲットを絞った集客力を利用できるため、費用対効果が高いのです。

キャンペーンプロモーション

キャンペーンプロモーションは期間を限定して、懸賞、特典の付与、割引、特別な商品の販売といった販促活動、つまりキャンペーンを行い、新規顧客の開拓やリピーターの獲得を目指す手法です。

期間を限定するので、いかに「今だけの特別感」を演出できるかが成功の鍵となります。キャンペーンプロモーションは、売上を伸ばすだけでなく、認知拡大やユーザーの満足度の向上、ブランドイメージの定着にも役立ちます。

スマホを使ったキャンペーンのポイント

インストアプロモーション(店頭プロモーション)

店舗内で行うプロモーションがインストアプロモーションです。店頭プロモーションと呼ぶこともあります。お店のなかで消費者が商品を買いたくなる、サービスを利用したくなるように促す取り組み全般を指します。

具体的には、来店客の視線を集めて手に取りやすくする陳列、季節行事や流行に合わせた企画、デモンストレーション販売、POPやデジタルサイネージといった店内広告、割引シールやタイムセールといった取り組みが挙げられます。

比較的低コストで実施でき、顧客の反応がダイレクトに売上に響くセールスプロモーションです。

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インストアプロモーションについては、下記のコラムで詳しく解説しています。

インストアプロモーションとは? リアル店舗の強みを活かして、売上を伸ばす手法を解説

ダイレクトマーケティング

ダイレクトマーケティングは、顧客や見込み顧客のリスト(データベース)をもとに、直接、顧客にアプローチする販売促進活動です。具体的な方法としては、ダイレクトメール、ルートサンプリング(施設や店舗、会員といった特定のルートを通じて行うサンプリング)、メールマーケティング、ポスティングといったものがあります。

ダイレクトマーケティングでは、市場と顧客情報の分析をもとに、対象に合わせて訴求内容を絞ってアプローチをします。一度で終わるのではなく、実施の成果を分析してPDCAサイクルを回し、精度を上げながら継続的に行っていくことが大切です。

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・ダイレクトマーケティングに関する詳しい解説は、下記のコラムでご覧いただけます。

ダイレクトマーケティングとは?5つのポイントと具体例を解説

セールスプロモーションのツール

セールスプロモーションでは、顧客に情報を届けるために、さまざまなツールが使われます。

チラシやリーフレット

紙媒体を配布するプロモーションです。紙媒体には情報をしっかり伝えられるという特徴があります。手元に置いておけるので、効果の期間が比較的長いのもメリットです。

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POP

売り場に設置して直接的に商品をアピールする広告や宣伝物がPOPです。来店客の目を引き、その場で商品を手に取らせるのに有効なツールです。近年では、売り場に設置したモニターで動画を流すデジタルサイネージの活用が進んでいます。

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ダイレクトメール

顧客リストをもとに商品やキャンペーンに関する案内、カタログなどを送付するプロモーションツールです。ターゲットの情報をある程度把握したうえで、ニーズに合った情報をピンポイントで届けます。そのため、既存顧客に継続購入を促す、しばらく離れている顧客に再利用を促すといった目的でよく使われます。

 

セールスプロモーションの手法

セールスプロモーションの手法には、認知拡大から、直接的な購入・利用の促進、リピーターの獲得といった目的に合わせて、さまざまなものがあります。ここでは主なセールスプロモーションの手法を、3つの目的に分けて解説していきます。

認知を拡大し、関心を高めるための手法

プロモーションイベント

試乗会や見学会など、消費者が商品そのものやブランドの世界観を体感する場をイベントとして提供する方法です。自動車や住宅といった高額商品を扱う業種で広く行われています。

デモンストレーション

商品の使い方や特徴を来店客の目の前で実際に示し、目を引き、その価値を印象付ける手法です。試食販売や実演販売なども含まれます。使い勝手やメリットがリアルに伝わり、買いたい気持ちをそそります。

サンプリング

商品(サンプル)を無料で配布し、消費者に試用してもらう手法です。無料なので喜んで受け取ってもらえ、商品に対する関心を高めることができます。試用した人がその商品が気に入れば、購入につながります。

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モニタリング

顧客に商品を使ってもらい、使用感や利用意向などを調査する方法です。リサーチの結果を活用できるだけでなく、サンプリングと同じ試用の効果も期待できます。

オープンキャンペーン

購入や利用といった参加条件を付けずに行う懸賞がオープンキャンペーンです。幅広い層が対象となるため、認知の広がりが期待できます。

ポップアップ・ストア

空き店舗やイベントスペースに期間限定で開設する小さなショップのことです。イベントを行ったり、商品のテーマを絞ったりといった柔軟な運営が可能で、認知の拡大やブランディングの効果が期待できます。

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購買を促進し、売上を伸ばすための手法

クーポニング

割引券・優待券などを配布する方法です。集客効果が高いため売上に直結するだけでなく、広い範囲で配ることができれば認知の拡大にもつながります。

クローズドキャンペーン、総付けプレミアム

クローズドキャンペーンは、購入や利用をした人だけが応募できる条件付きの懸賞です。総付けプレミアムとは、購入や利用をすれば必ず参加できる懸賞やもらえる景品のことを言います。どちらも購入や利用を促進させ、売上拡大に貢献します。

価格プロモーション

商品の価格を一時的に下げることによって、顧客を集める方法です。タイムセールや値引きシールには、強い訴求力があり、売上に直結します。

カウンセリング

専門的な知識を持つ接客販売員が商品に関する質問に答えたり、相談に応じたりすることを通して、商品販売につなげる手法です。対話を通じて、顧客に商品を理解してもらうだけでなく、信頼感や安心感を与えることができます。

リピーターを増やし、既存顧客との関係性を深めるための手法

ポイントプログラム

購入・利用した金額に応じて、顧客にポイントを付与する仕組みです。たまったポイントは、購入時の代金割引や景品との交換に使うことができます。リピーターを増やし、競合他社に顧客が流れることを防ぎます。

会員プログラム

会員だけのお得な情報を提供したり、特別なキャンペーンを行ったりすることで、顧客と企業との結びつきを強める方法です。会員限定の魅力的な内容を用意して会員登録を促し、顧客の囲い込みを狙います。

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・既存顧客との関係性を深めるマーケティング手法の詳しい解説は下記でご覧いただけます。

リテンションマーケティングとは?顧客との関係を長く維持するための施策を解説

このように多種多様な手法があるセールスプロモーションですが、近年はアプリやメール、SNSなどのインターネットを活用した取り組みが増加中。特に、情報の拡散性に優れているSNSとは相性が良く、認知の拡大や販売促進につながるキャンペーンが、InstagramやTwitterを使って盛んに行われています。

また、コロナ禍はセールスプロモーションの現場にも大きな影響を与え、人を大勢集めるイベントや、人や物がじかに接触する手法は大きく減少しています。多くの企業が、インターネットやデジタルサイネージの活用を進めながら、新生活様式における効果的なセールスプロモーションの手法を模索しています。

・今の時代に合った、デジタルとアナログを使いこなすプロモーションの情報を下記でご覧いただけます。

キャンペーン・プロモーションSP

社会情勢を視野に入れたうえで、目的と顧客のニーズに合ったセールスプロモーションを

セールスプロモーションには多くの種類や手法があり、どのような施策を選ぶかは、商品やターゲットによって大きく異なります。また、コロナ禍の影響を受けて変更を余儀なくされているものもあり、今後は、デジタル技術を用いたプロモーションの活用が進むと考えられます。これからセールスプロモーションを計画する際は、社会の情勢や新しい手法の導入を視野に入れたうえで、プロモーションの目的と自社の商品の特性、見込み顧客のニーズに適した方法を選ぶ必要があります。

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