実写とアニメーションの違いを知って、動画マーケティングに活用しよう

実写とアニメーションの違いを知って、動画マーケティングに活用しよう

マーケティング・販促

今や多くの人が閲覧するメジャーなコンテンツとなった動画は、その内容も手法もバリエーションに富んでいます。プロモーションやマーケティングに動画を活用したいと考えたとき、その表現を「実写」にするか、「アニメーション」にするかで、迷うことがあるでしょう。この記事では、それぞれにどんな良さがあるのか、詳しく解説していきます。

実写とアニメーションの違いとは?

実写は「実際に存在するもの」にスポットを当てた表現方法です。「ドラマ形式」「ドキュメンタリー形式」でストーリーが進んでいく作品が多いのですが、どちらのパターンでも「被写体は実在している」という前提があります。

一方、アニメーションでは、「実際にはないものの表現」が可能です。アニメーションは、絵や立体物をコマ撮りし、連続して映すことで絵が動いているように見せる手法の総称で、かつては手で一枚一枚原画を描いていましたが、現在はパソコンで制作するスタイルが主流になっています。架空のキャラクターを使って表現することが多く、空を飛ぶ、壁を歩く、無生物が動く、動物が話すなど、現実ではありえない表現もアニメーションなら容易にできます。

 

実写とアニメーションの比較

共感しやすさ、わかりやすさの違い

【実写の場合】

俳優が演じる登場人物が、感情を持って行動したり話したりする方が、架空のキャラクターの動きに比べて見る人の共感を得やすいといえます。また、実在するものを撮影するため、製品やサービスのビジュアルや雰囲気がそのまま視聴者に届きます。

ただし、俳優やシチュエーションの印象が強い場合、視聴者がそのイメージに引っ張られることもあるので注意が必要です。良い印象が商品のイメージとうまく重なって宣伝効果を上げることもありますが、逆にイメージが固定化し、「自分には関係ない」「共感できない」というように感じさせてしまう懸念もあります。

【アニメーションの場合】

アニメーションには、抽象的なことを説明しやすいという大きなアドバンテージがあります。感情を表現するためにキャラクターの表情を思いきりデフォルメして強調することもできますし、概念やロジックなどをわかりやすく視聴者に伝えることも可能です。また、実写では見せることのできない機械の内部構造をクローズアップして解説したり、IR情報や統計などの数字や、時間の経過によるデータの推移などをグラフィック化して説明したりする際にも、アニメーションは大いに力を発揮します。

コストパフォーマンスの違い

【実写の場合】

実写の作成には、出演者や撮影機材、撮影スタッフ、撮影場所の確保などの準備期間やイニシャルコストが必要です。ただし、いったんキャストや撮影場所が決まれば、どの程度費用がかかるのか、完成までにどのくらい時間がかかるのかといった予測が立てやすいといえるでしょう。実在するものや人を撮影するので、できあがりも比較的イメージしやすい手法です。

デメリットとしては、修正がしにくい点が挙げられます。登場人物を入れ替えたい、背景となる撮影場所を変えたい、といった修正は編集では対応できません。修正版のために再撮影となると、キャストやスタジオのスケジュール調整からやり直しになります。屋外撮影では天候も考慮に入れなければならず、コストがかさむ要因に。大きな変更になると、負担も相応に大きくなります。

【アニメーションの場合】

これに対してアニメーションは、変更に強いコンテンツです。デザインや動き、背景の変更も、実写に比べると比較的容易に行えます。ただし何もない状態からデザインやキャラクターを造形していくため、イメージのすり合わせが大切になります。後になってイメージのズレが生じないように、サンプルを作成しては確認するといった細かい進行チェックが必須です。

アニメーションの費用は、基本的にはシーン数や動画の尺(長さ)などによって決まりますが、凝った映像や複雑な動きが多い場合はコストも膨らむ傾向があります。

 

商材や対象によって動画を使い分けよう

実写が向いているのは…

見せることで直接良さが伝わる商品やサービスの場合

一般的に実写は、製品(実物を見てどのようなものかわかるもの)や、店舗型のサービス(飲食店、ビューティーサロン、不動産など)の広告に向いています。デザインや機能の良さ、そのものの美しさを見せることでストレートにアピールできる商材は実写向きです。

旅行プランや観光情報の紹介といったものも実写の方が効果的です。旅先の風景やアトラクション、料理などの映像を見せることで、現地の雰囲気やスケール感、シズル感などを視聴者にビビッドに伝えることができます。

ターゲット層がはっきり絞られている場合

ターゲット層が明確な場合には、実写の方が共感されやすいといえます。ペルソナに近い俳優をキャスティングすることで、視聴者は感情移入しやすくなります。特定の商品やサービスを使うことで登場人物の暮らしや人生が好転するストーリー、抱えていた課題が解決するストーリーは、同じような課題を抱える人に強く訴えかけるでしょう。登場人物に共感を持たせることができれば、商品やサービス、それらを提供する企業への親近感や理解が深まります。

企業のブランディングや採用、研修が目的の場合

さらに実写は、企業のブランディングや採用を目的としたPR動画にも多く使われています。架空のキャラクターが紹介する動画よりも、顧客の生の声を紹介したり実際の社員が登場したりする動画の方が、実感が伝わり信頼性が高まります。社内外の研修で利用する動画なども、同様の理由で実写の方が向いています。

アニメーションが向いているのは…

幅広いユーザーを対象とする商材の場合

登場人物やシチュエーションによってターゲットが絞られてしまう実写とは異なり、アニメーションでは特定のイメージに引っ張られないように表現することが可能です。このため、幅広い視聴者を対象とした商材の宣伝や、ターゲット層をあまり限定しない告知に向いています。

実写では映せない、形のない商材の場合

製品の仕組みやサービスフローの解説、クラウドやアプリケーションなどのインターネットサービスの紹介、バーチャルな世界観のサービス(AIを使ったサービスやソーシャルゲームなど)の宣伝も、アニメーション向きです。形のない商材であっても、アニメーションであれば表現を工夫することで特徴や長所を訴求することができます。

複数のパターンや頻繁な更新がある場合

また、複数のパターンが必要な動画、途中で変更する可能性がある動画にも、アニメーションは適しています。下記のようなケースはアニメーションで作った方が、トータルコストが抑えられます。

  • 現在は日本語のみだが、今後、多言語で展開する予定がある
  • 製品や機能のアップデートが頻繁なので、主要部分は同じ動画を使いつつ、一部を変更できるようにしておきたい
  • 複数の媒体で動画を配信するために、尺(長さ)のパターンがいくつか必要
  • 一部が異なる複数の動画を用意して、比較検証(ABテスト)をしたい

実写と動画の合わせ技も可能

実写とアニメーションの良い部分を掛け合わせることで、インパクトのある動画にすることができます。軸となるストーリーは実写で表現し、システムや機能、データの紹介はアニメーションで伝えるといった構成にすれば、説得力のある、わかりやすい動画になります。また、アニメーションの持つポップさやカジュアルさと、実写の信頼性や共感のしやすさといったお互いの長所を生かすことで、ユニークで見た人の印象に残る動画を作ることも可能です。

 

シチュエーションに合わせて適切な表現を選ぼう

実写にもアニメーションにもそれぞれメリットがあり、どちらが良い、悪いということはありません。どんな商品を宣伝したいのか、どんなターゲットに向けた動画なのか、動画を通してどんなことを視聴者に伝えたいのかというような目的や状況に合わせて手法を選択しましょう。それぞれの特性を十分に理解して、適切な表現を使い分けることが大切です。

図書印刷では、実写もアニメーションも、どちらの動画制作にも対応しております。では企画の立案からサポートいたしますので、実写とアニメーション、どちらを選択すればよいかお悩みの場合にもお気軽にご相談ください。

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