周年事業とは何か?目的や効果について解説

周年事業とは何か?目的や効果について解説

コミュニケーション

周年事業とは、企業が創立・設立から10年、20年、50年などの節目に、それまでビジネスを継続できたことを記念して行う事業です。祝い事としての意味合いが強いイベントですが、近年は、新商品のプロモーション、ブランディングの再構築、社内外のコミュニケーション促進など、さまざまなことを目的に戦略的に行われています。この記事では、周年事業の目的や効果について解説します。

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周年事業の目的とは何か?

周年事業の目的の第一にあるのは、社員や取引先への感謝の表明です。また、周年を期に新たなビジョンを描き関係者と共有することも目的となっています。ただし、社内外のどの関係者にフォーカスしてどのように周年事業を行うかは、その企業の思想や戦略により異なります。

これまでの感謝の念を伝えるために社員やその家族、OB、OG社員、グループ企業の社員などを招きインナーコミュニケーションを促進するケース、株主や主要顧客に向けて周年を迎えたことをアピールしたり、エンドユーザーに向けて新商品のプロモーションを戦略的に行うケースなどがあります。あるいは、これらだけでなく、社内外のすべての関係者に向けて大規模な周年事業を行うケースもあります。

一般に企業規模が小さいときは、インナーコミュニケーション主体となります。近年は創業1周年、2周年で周年事業イベントを行う企業も増えており、社員のチームワークやモチベーションアップなど、競争力向上につながる周年事業を行うことは、ベンチャー企業にとっても十分にメリットがあるのです。

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周年事業で行うイベントについて、最近の傾向や実際の流れなど、下記のコラムで詳しく解説しています。

周年イベントとは?目的や最近の傾向、実施の流れ、事例も紹介

社内向け周年事業の目的

  • 社員へ感謝を伝え、リレーションシップを深める
  • 企業の歴史や理念への理解促進
  • 未来に向けたビジョンや戦略の共有
  • 社員同士のコミュニケーション活性化
  • 社員のモチベーション、エンゲージメント向上 など

社外向け周年事業の目的

  • 顧客や株主へ感謝を伝え、信頼関係を強化する
  • 次世代の新事業戦略についての発表
  • 特別企画や限定商品販売などによるビジネスチャンスの創出
  • 新商品や新企画のリリース・プロモーション
  • 企業・商品のブランディング再構築(名称変更・ロゴ刷新など) など

周年事業のスタイル、パターン例

一般的な周年事業のスタイルやパターンについて説明します。

BtoB企業とBtoC企業の違い

扱っている商品が法人向け(BtoB)なのか、一般消費者向け(BtoC)なのかで周年事業の傾向は多少異なってきます。

BtoB企業の周年事業は、式典やパーティーなどが一般的であり、主に社員や取引先、株主を対象に行います。式典では社員や関連会社の表彰が行われたり、記念品や周年記念史などが配布されたりすることが通例です。

BtoC企業の場合は、これに加え周年事業にあわせた特別企画や限定商品を打ち出すなど、積極的に販売促進につなげるケースが目立ちます。近年はSNSなどを介して消費者とのコミュニケーションがとりやすくなっているため、ユーザー参加型の周年事業企画も増えています。

周年記念事業で実施する内容例

  • 式典+記念パーティー+記念品配布
  • 式典+記念誌の発行
  • 講演会・セミナー+記念パーティー
  • 式典+社員旅行(国内・海外)
  • 社史の発行+デジタルアーカイブの制作
  • 周年記念キャンペーンの実施
  • 限定商品の販売
  • 周年記念プレゼントの提供  

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周年事業の事例

一口に周年事業といっても、目的やイベントにかける準備期間、予算などにより、そのスケールや企画内容はさまざまです。いくつか事例をみてみましょう。

記念施設オープン、大規模フォーラム開催、15のプロジェクトを推進 - パナソニック株式会社

パナソニック株式会社は2018年に3月に創業100周年を迎えたことを記念し、大阪府門真市に「パナソニックミュージアム」を開設。10月には東京で「クロスバリューイノベーションフォーラム2018」という講演・セッション、総合展示会などがセットになったイベントを開催。周年事業を契機に新事業創出、人材育成、資産継承を柱とする15のプロジェクトを社内に発足させるなど、全方位に向けた周年事業企画を推進し成功させています。

人材戦略の一環として活用 - サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社は創業20周年事業の一環として、働く時間や場所を9種類から選べる「働き方改革」を社内で推進。風刺アニメを制作して記念サイトや広告で公開したところ、メディアやSNSで話題となりました。業務改善システムを提供するサイボウズ社の認知度向上と、社員のエンゲージメントやモチベーションの向上につながった事例です。

一般人参加型イベント - セメダイン株式会社

セメダイン株式会社は創業90周年事業の一環として、「工(こう)コン」(工場でのコンパ)という、接着材の”くっつける事業”と”人と人をくっつける”をかけあわせたコンセプトの企画を打ち出し、社員や関係者だけなく一般の人にも参加を呼びかけて、自社の認知度の向上を図りました。

SNS投稿キャンペーン - カプリチョーザ

イタリア料理チェーン店のカプリチョーザは、創業40周年を記念して、カプリチョーザでの食事の写真や思い出に残る写真を、InstagramやTwitterに投稿してもらうキャンペーンを実施。抽選で400人に4000円分の食事券をプレゼントし、顧客への感謝の思いを伝えました。SNSを活用した比較的手軽に行えるタイプの周年事業企画事例です。

周年事業の企画から実施までのステップ

周年事業を推進させる一般的なステップは以下の通りです。

  1. 周年事業でなにを達成したいか、目的を明確にする
  2. 社内向けか社外向けか、現在の顧客層か未来の顧客層かなど、どの層を対象に周年事業を行うかを決める
  3. 予算・スケジュールの策定
  4. プロジェクトメンバーの選定、実行委員会の設置
  5. 周年事業の内容、配布する製作物・ノベルティなどの決定
  6. 対象者への告知、継続した情報発信

まず、最も大切なのは、どのような方向性で周年事業を行うかを明確に決めることです。社員のモチベーション、エンゲージメント向上などインナーコミュニケーションを深めることを重視するのか、社外に対するアピールが目的か、あるいは全方位に対して発信するのかなど、その方向性によって、中心となる部門やプロジェクトメンバーの構成、準備をスタートする時期などが変わってくるからです。

周年事業は、恒常的な仕事ではないため、どうしてもプロジェクトチームの発足が必要となります。メンバーは自分の業務を抱えたうえで、周年事業という不慣れな業務を担うことになります。メンバーにプロジェクトに参加する意義を感じてもらうためにも、目的を決定する段階から主要なメンバー候補の意見を積極的にヒアリングすることが重要です。そして、ひとつずつステップを踏んで周年事業を成功させましょう。

周年事業を経て新たな成長ステージへ

周年事業とは、企業が単なる一営利組織ではなく、社会の一員として多くのステークホルダーに支えられていることを再認識できる有意義な事業です。予算もかかり準備も大変なイベントですが、インナーコミュニケーションの促進、企業価値の向上、ブランディング再構築など、周年行事を行うことでいろいろなメリットが期待できます。何より10年、20年と節目の年に周年事業を行うことで、企業が新たな成長ステージへ向かって飛躍していくことを社内外に知らしめる効果があるでしょう。

周年事業のプランづくりでお悩みの場合は

図書印刷では、目的や対象者、予算など、お客様のご要望に沿った周年事業の企画を提案いたします。社史・記念誌や記念品、デジタルアーカイブ、CI・周年ロゴなどの企画制作はもちろん、記念式典やイベントの実施運営など、さまざまな支援をいたします。詳しくは以下のページからご確認ください。

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