シニアマーケティングを成功させる秘訣はターゲティングにあり

マーケティング

高齢化が進む日本で、避けて通れないのが「シニアマーケティング」です。しかし、シニアマーケティングは難しく失敗が多いのが現状です。そこで、シニアマーケティングが難しい原因を考え、シニア市場に関わるキーワードと、ペルソナ策定によるターゲティングの視点から、成功するシニアマーケティングの仕組みを解説します。

なぜシニアマーケティングは難しいのか?

「シニアマーケティングは難しい」「シニアマーケティングは失敗する」という話を耳にする機会が多いのではないでしょうか。でも、なぜシニアマーケティングを成功させることが難しいのでしょうか。

「シニア」をひとくくりにする

まず、シニアといっても体力も考え方もまったく異なります。しかし、世間はいまだに年齢や個人のバックグラウンドを考慮せず「シニア」というひとつのラベルしか持っておらず、シニアマーケティングを行うときに、定年退職後の世代すべてをターゲットにしてしまいがちです。これがシニアマーケティングを難しくしているひとつの要因です。

マーケターにシニアがいない

次に、同世代のマーケターがいないことも要因といえます。65歳を超えると多くのサラリーマンは定年退職をしてしまうため、65歳以上のマーケターは多くありません。そのため、シニア世代ではないマーケターが、シニア世代の気持ちを理解する必要がありますが、まだ経験したことのないシニア世代の立場や気持ちを想像することは難しいのです。

ターゲティングするためのプロファイルが見えにくい

さらに、シニア世代は企業を引退するので、ターゲット層の勤務先や年収といった情報が失われます。そのため、引退後の生活や興味、好みを想像する手掛かりを得ることが難しくなってしまい、結果としてターゲティングが実態と乖離してしまいます。これもシニアマーケティングが失敗しがちな要因となっています。

「シニア市場」のキーワードと成功事例

難しいといわれているシニアマーケティングを成功させるコツはあるのでしょうか? シニア市場に関連するキーワードとシニアマーケティングの成功事例を見ていきましょう。

健康とヘルスケア

アクティブ派で時間に余裕があり、自分自身の体のケアを気にするシニアは「健康」や「ヘルスケア」という言葉に敏感です。「健康寿命」が注目されていることからも分かるように、健康で元気に過ごすことはシニア層にとって重要なキーワードになります。

フィットネスクラブのカーブスでは、健康に興味のあるシニア女性にターゲットを絞り「女性専用」「予約不要」「30分間フィットネス」をうたって展開し、設立から10年で約1600店舗、会員数73万人の巨大企業になりました。カーブスの発表によれば、会員の40%が60歳代、70歳以上も23%を占め、シニア層から人気を集めています。

旅行プラス仲間や体験

旅行はシニアがしたいアクティビティの上位に入ります。特に資金的にも体力的にも余裕のある、アクティブで現役世代に近い74歳までがメインターゲットとなります。ただ、最近のシニア層は既にいろいろなところに旅行に行っているため、「ただ行くこと」から「何か面白いことに出会える」ことへの欲求が高まっています。そのため「旅行」というキーワードだけでなく「仲間」や「体験」との組み合わせがポイントとなります。

旅行会社クラブツーリズムはテーマ別のツアーを設定して、テーマに合わせてセミナーも行っており、「シニア向けとうたわずにほのめかす」「みんなで達成するサークルのノリ」「仲間との達成感を得られるゲーム要素」「定期的なコンタクトでファンづくり」のポイントでシニア層から絶大な人気を得ています。

家族、孫

のんびり派で家族が大切な「育じい・育ばあ」向けで成功した、「まごチャンネル」という商品があります。シニア世代の家のテレビに受信ボックスをつないでおくと、孫の親がスマートフォンで撮影した孫の写真や動画を、専用アプリからシニア世代の家のテレビへ届けられるサービスです。シニア世代は、自動的に配信される孫の写真や動画を使い慣れたリモコンで操作ができるというものです。テレビやリモコンなど現在使用しているデバイスをそのまま利用できることが、シニア世代に使ってもらうためのひとつの解決方法といえるでしょう。

そのほか、「ボランティア」「投資」「文芸」「菜園」などシニア市場にはさまざまなキーワードがあります。シニアをひとまとめにするのではなく、きちんとターゲットを絞りアプローチをしていくことが重要です。

では、どのようにターゲティングを行えば良いのでしょうか?

シニア世代のペルソナ策定と注意点

シニア世代といっても、興味も嗜好も異なります。シニアマーケティングを成功させるためには、ターゲットを絞り込み、適切なメッセージを適切なタイミングで伝えることで共感を得ることが大切です。そのために、具体的で明確な顧客像(=ペルソナ)を策定してターゲットを絞りましょう。

シニア世代のペルソナを策定する場合には3つ注意するポイントがあります。

1.    策定するペルソナ数と優先順位

ターゲティングを行うときは、縦軸に「アクティブ派」「のんびり派」、横軸に「年金依存型」「現役社会人型」などをとり、ペルソナをマッピングしましょう。ただしペルソナ数が多すぎるとターゲットの絞り込みができません。ターゲットとするペルソナ像は3~5例に絞りましょう。さらに商品やサービスの使用頻度やマーケットサイズ、購買力を考慮してペルソナ像に優先順位をつけましょう。

2.    人物像を客観的データから導き出す

ペルソナ策定には「実在の人物からペルソナを策定する」方法が採られることがありますが、実在の人物だと感情が入り、癖もあるため偏向が避けられません。そのため、できるだけ客観的なデータをもとにペルソナ像を策定していきましょう。

3.    ペルソナに精緻さを求めない

ただしペルソナ策定はあくまでも手段のひとつです。ペルソナに精緻さを求め、策定に時間や労力を費やし続けることはやめましょう。あくまでも重要なのは、策定したペルソナ像を基にターゲティングを行い、購買につなげるアプローチをすることです。

まとめ

シニアマーケティングが難しい理由のひとつに、シニア層をひとまとめにしてしまい、ターゲティングができていないことが考えられます。シニア市場のキーワードとペルソナを使ったターゲティングを活用して、成功するシニアマーケティングを行いましょう。


参考:

検索