事例で知るIoT。販促分野にどう生かす?

販促

IoT(アイオーティー)とは、「Internet of Things」の略で、直訳すると「モノのインターネット」と呼ばれています。インターネットに接続されていたIT関連機器以外のモノをインターネットに接続することです。

例えば、音楽や映画のストリーミングサービスを使えるテレビ、外出先から自宅のペットの様子を確認できるペットカメラ、時計型のウェアラブルデバイスなど、私たちの身の回りでもIoT化がどんどん進んでいます。それでは、販売促進の分野でIoTはどのように使われているでしょうか。その事例を紹介します。

販売促進に使われているIoT事例

販売促進にIoTを使うことのメリットは、サービスを必要としているユーザーと提供者を簡単につなぐことができる点でしょう。ボタンを押したり、スマートフォンのアプリを開いたりするだけで、ユーザーは必要なサービスをタイミングよく受けることができます。

また、IoTを販売促進キャンペーンに取り入れ、景品や試供品をデジタル化することで、サービス提供者は、従来のキャンペーンで必要だった試供品を配る人の人件費や管理費、送料などのコストを下げることができます

では、具体的にはどのような事例があるのでしょうか? 実は身近なサービスにもIoTが使われています。例えば次のようなサービスをご存知の方も多いでしょう。

Amazonダッシュボタン

Amazonダッシュボタンは、とても分かりやすいIoT事例のひとつでしょう。マグネットで家電に貼ることができる商品名の入った小さなプラスチック製のボタンを押すだけで、Amazonに商品を注文できます。Wi-Fiに接続できるところであれば、どこにボタンを設置しても機能します。また二重発注を防止するために、注文が届くまで再度ボタンを押せないよう工夫されています。

スマートプレート(ピザハット)

ピザハットのキャンペーンで、冷蔵庫などに貼れるマグネット型のデバイスにスマートフォンをかざすと、アプリやWEBサイトが開くスマートプレートが採用されました。

スマートプレートは電池を必要とせず、NFC(近距離無線通信)に対応しているスマートフォンをかざすだけで、対象となるWEBサイトやFacebookページ、Twitter、LINEなどが自動的に開きます。また、動画、地図、連絡先、電話番号といった情報を読み取ることも可能です。利用の前にアプリをダウンロードする必要がないので、すぐに必要な情報を見ることができます。観光案内といったものへの応用も期待されている技術です。

ポケモンGO

大人気のポケモンGOも販売促進に使われているIoTのひとつです。現実の地図とゲーム内のマップが連動するGPSを使った位置ゲームという特徴を生かして、全国のセブンイレブン店頭が、ゲームで使うアイテムを獲得できるポケストップになりました。ポケモンGOをプレイしながら、セブンイレブンの近くへ行けば、アイテムがもらえたりポケモンを捕まえたりできます。

ポケモンGOを使って集客する事例はほかにもあり、マクドナルドでも同様の試みがされています。2017年のゴールデンウィーク中には、ポケモンを通常よりも多く発生させて、たくさん捕まえられるようにするイベントで、集客力もアップさせました。

iBeacon

iBeaconは、iOS7から標準搭載されたBluetooth Low Energy(BLE)を使った技術です。iBeaconアプリの利用者が、iBeaconの端末を設置している対象店舗に近づくと、プッシュ通知で、お得なクーポンやセール情報などを受け取ることができます。

例えば、スウェーデンでは、スープ会社のクノールと、現地の大手新聞社AftonbladetがiBeaconを使ったキャンペーンを実施しました。まず、街頭でiBeaconの端末をポケットに入れたスタッフがスープのサンプルを配ります。iBeaconの端末は、スウェーデン人のほとんどが利用しているというこの新聞社のアプリに反応するよう設定されており、サーバーには訪問者情報が蓄積されていきます。その情報を元に、サンプルを受け取った人がiBeaconの端末を設置しているスーパーに入店すると、クノールスープの割引券がプッシュ通知で届くという仕組みです。iBeaconは、商品に興味がある見込み客に、絶好のタイミングで購入をすすめることができる技術として注目されています。

モバイルウォレット

Apple PayやAndroid Payなどに代表されるモバイルウォレットもIoTのひとつと考えられるでしょう。モバイルウォレットは支払いに使うクレジットカードの情報や交通機関のプリペイドカード情報のほか、身分証明書、会員証やポイントカード、航空券、映画のチケットなど、今まで財布の中に入れていたようなものを、データとして端末に収納できます。買い物の支払いはスマートフォンを店頭のリーダーにかざすだけ。航空券の購入からチェックイン、そのあとの搭乗まですべてスマートフォンだけでできるサービスも実現しています。

モバイルウォレットは世界中に広まっており、今後の購買活動を左右するといわれています。さらに普及が進めば、レジ精算のために待つ必要のないコンビニや飲食店などが登場し、決済が簡単になることによって販促効果が期待できそうです。

IoT技術を利用するときの注意点

便利なIoTですが、問題がないわけではありません。例えば、システムの脆弱性により、サービスに混乱が起きる可能性があります。

タクシーや登録ドライバーの配車をするUberは、GPSを使うことで車と人を素早くマッチングできる、IoTを活用したサービスです。ところが、過去にセキュリティーの研究者がUberのシステムの中にタダ乗りできてしまう脆弱性を見つけたことがありました。このケースは実際に悪用されたわけではありませんが、IoTを利用したサービスにはシステムのアップデートが欠かせません。

また、インターネットやBluetoothなどのネットワークにつながらない事態が起きたときにはすべてがストップしてしまうこともありえます。不測の事態が起きたときの対処方法といったことも、事前に決めておく必要があるでしょう。

インターネットにつながるものが増えれば増えるほど、抱える問題も大きくなりますが、まず大切なのはシステムとセキュリティーのアップデートやカスタマーサポートに力を入れている、信頼できる企業のサービスや製品を選ぶことです。

次世代の販促には欠かせないIoT

モノとインターネットがつながることで、オンラインとオフラインの垣根がなくなってきていると言われています。例えば、物理的なボタンを押すことで、オンラインショップへの発注が完了したり、スマートフォンをリーダーにかざすだけで支払いができたりという、オンラインとオフラインのよい所を自由に行き来しながら購買につなげる販促活動は、今後も増えていくはずです。

便利さとともに、新しく面白いアイデアで、モノとインターネット、販売促進を結びつけることが、IoTを使った販促活動のカギとなりそうです。

 

参考:

検索