「チームビルディング」とは?押さえておくべきポイントと具体的手法

「チームビルディング」とは?押さえておくべきポイントと具体的手法

コミュニケーション

「もっと成果を出したいのに、うまくチーム一丸となれず、目標を達成できない……」
「成果を出すために、どうすればもっと良いチームにすることができるのだろう?」

こういった悩みを持つリーダーやマネジャーは多いのではないでしょうか。仕事は一人だけで完結できるものは少なく、誰かの協力が必要です。メンバーがチームとして協力し合うことで仕事はより効率的に進められるでしょう。今回は、チームをうまくマネジメントするためのヒントとなる、「チームビルディング」についてご紹介します。

「チームビルディング」とは?

チームビルディングとは、メンバーが能力を存分に発揮し、目標達成に向けて一丸となる組織や団体を作るための手法や取り組みを指します。チームビルディングは、人材育成の研修としても最近注目されているプログラムのひとつです。

そもそもチームとは、ただ単に「人が集まった状態」ではありません。何か達成すべき目標の下に集まった組織が「チーム」です。どれほど優秀なメンバーがそろっていても、それぞれが同じ目標の達成に向かって行動できている状況になければ、「チーム」として機能しているとはいえません。良いチームとは、メンバーそれぞれがスキルとリーダーシップを発揮し、目標達成のために協力できる組織なのです。

なぜ「チームビルディング」が必要なのか?

高度経済成長期を支えた終身雇用や年功序列制度の下では、企業において各部署の責任者が社員を指揮命令する構造が一般的でした。その時代には、社員のそれぞれが上司から個人目標や役割を与えられ、それを達成することが求められていました。

しかし、近年ではIT環境の進化や企業間の競争の激化、グローバル化の拡大などにより、ビジネスは複雑・多様化し、常に新しいアイデアが求められるようになりました。このような時代には、従来の組織スタイルだけでは対応できず、ビジネスの変化に対して迅速に、柔軟に対応することが不可欠となっています。複雑なビジネス環境に順応してイノベーションを起こすためには、個人ではなくチームで対応することで成果が出やすいと言えます。

良いチームになるためには、メンバーそれぞれが高いパフォーマンスを発揮し、協力して組織を改善し発展させる集団となることが必要です。そして、そういったチームを作るためには「チームビルディング」が必要なのです。

チームビルディングのために必要なポイント

チームビルディングは、「これを行うべき」「これができればよい」というプログラムや身に付けるべきスキルが明確ではありません。まずはチームビルディングのために必要なポイントを押さえておきましょう。

目標やビジョンの明確化

組織や団体としての明確な目標やビジョンをメンバーが共有すれば、チームで具体的に何を行うべきか、自分の役割は何かを考えることができます。全員で同じ目標に向かって取り組んでいるという意識が持てれば、互いの信頼関係が強化され、協力し合う環境がつくれるでしょう。また、達成すべきことが明確であれば、チームとして無駄を省いて効率よく進める方法を模索できます。

コミュニケーションの活性化

イノベーションを起こすためには、メンバーの多様な意見やアイデア、発展性のある議論が必要です。誰かの意見を盲目的に受け入れたり、無視したりするようなことがあっては自由な議論はできません。そのためには、普段からチームのコミュニケーションを密にし、どんな意見やアイデアでも認められる環境が必要です。そして、意見やアイデアに対し、メンバーの誰もが疑問を投げかけたり掘り下げたりできるようにするべきでしょう。

チームビルディングの具体的な手法とは

ここでは、チームビルディングのためのいくつかの手法を紹介します。

ダイアログ

ダイアログは日本語で「対話」を表します。物事を決めるための「ディスカッション」とは異なるものです。ダイアログにはルールがあり、重要なのは「自分の意見を主張する」「他人の意見を尊重する」「結論を急がない」「できるだけ漠然としたテーマを選ぶ」ことです。

ダイアログの目的は、結論を出すことではありません。結論を出そうとすると、自分の意見に固執したり、他人の意見を批判しようとしたりしがちです。重要なのはメンバーの見方や考え方に触れ、理解しようとすることです。誰かの知識で解決できるようなことではなく、全員が対等に話せるようなテーマを選んでください。自由に話し合った経験を経て、メンバー同士の理解や信頼が生まれるはずです。

アクティビティ

具体的なアクティビティとして、キャンプや合宿、スポーツなどが挙げられます。チームで協力して何かを成し遂げ、他のチームと競い合う経験をすることで、関係性を深めることができます。アクティビティの企画・運営を行うサービスもたくさんあるので、社内イベントとして取り組む企業も多いようです。社内運動会や社員旅行もアクティビティの一種と言えるでしょう。

ゲーム

ゲームはアクティビティの一種ですが、チームビルディングの手法として代表的な手法です。脱出ゲームやサバイバルゲームのような大掛かりなものもありますが、場所や時間、人数などに応じて最適なゲームを選べるため、手軽に取り組める点も人気です。

  • ヘリウムリング

フラフープを1つ用意し、チームのメンバーで囲みます。全員で利き手の人差し指にフラフープを乗せ、フラフープを持ち上げたらゲーム開始。全員の指から離れないように、フラフープを地面に着地できたら終了です。簡単そうに見えて難しいので、盛り上がるとともにメンバーの結束力が高まるでしょう。

  • ジェスチャーゲーム

レクリエーションでおなじみのジェスチャーゲームも、チームビルディングのために利用できます。チームメンバーの一人がお題をジェスチャーで表し、他のメンバーが当てるというものですが、伝える力、読み取る力が問われます。

  • マシュマロチャレンジ

いくつかのチームを作り、材料としてマシュマロ、乾燥パスタ、テープ、ひもを用意します。この材料を使って、制限時間内に一番高いタワーを建てられたチームが勝ちです。柔らかなマシュマロと折れやすい乾燥パスタで高いタワーを建てるために、メンバー全員でどのようにすればよいのかを話し合い、試行錯誤する必要があります。

まとめ

ビジネス環境が刻々と変化する現代で、次々と生まれる多種多様な課題に個人で対応するには限界があるでしょう。さまざまなスキルを持った人材が連携し、チームとしての力を発揮することが必要なのです。

チームビルディングで同じ課題に取り組んだ体験から、メンバーの相互理解が進み、信頼関係が深まります。信頼関係が築けているチームはそれぞれが主体的に行動できますし、課題の解決スピードが早まるでしょう。チームビルディングの手法はたくさんありますが、まずは手軽に取り組めることから始めてみてはいかがでしょうか。

参考: