ストレスチェック制度とは?事業者や人事担当者が気を付けたいポイントを徹底解説!

人事・総務

職場においての不安や悩み、ストレスなど、メンタルヘルス不調の増加が言われるなか、対応策のひとつとして政府により考案されたのが、「ストレスチェック制度」です。

今回はストレスチェック制度とは何か、ストレスチェックの流れ、またストレスチェックで事業者や人事担当者が気を付けたいポイントについて、説明します。(※2018年11月時点の情報です。)

ストレスチェック制度とは

ストレスチェック制度についてみてみましょう。

ストレスチェック制度の概要

ストレスチェック制度とは、「事業者に労働者のストレス状況についての検査(ストレスチェック)や、その結果に基づく面接指導の実施等を義務付ける」制度のことです。平成26年の労働安全衛生法の一部改正に伴い、厚生労働省により新たに設けられたものです。

ストレスチェックは1年に最低1回の実施が義務となっています。「ストレスの原因」「心身の自覚症状」「周囲のサポート」のそれぞれについて、選択式の質問票形式で行われます。質問票は紙の調査票、もしくはICTを活用した方法から選べます(併用も可能)。

ストレスチェック制度の対象となる事業所

実施義務があるのは、常時50人以上の労働者が在籍する事業所です。この数にはパートタイムや派遣先にいる派遣労働者も含みます。ただし、契約期間が1年未満の労働者や、労働時間が通常の労働者の4分の3未満の短時間労働者は対象外です。

労働者が50人未満の事業所では、ストレスチェックの実施は努力義務ですが、極力実施することが望ましいとされています。

ストレスチェック制度の目的

ストレスチェック制度は、以下のように労働者のメンタルヘルス不調の未然防止を目的としています。

1. 本人に結果を通知することで、ストレスへの自覚を促す

2. 集団ごとの検査結果の集計・分析により、職場のストレス要因を特定・改善する

3. ストレスの高い者を早期発見し、医師による面接指導につなげる

労働者が抱えるストレスに早期に対応し、「うつ」のようなメンタルヘルス不調に陥るのを防ぐことが、ストレスチェック制度の目指すところなのです。

ストレスチェックの流れ

では、ストレスチェックはどのような段階を踏んで実施されるのでしょうか。

ストレスチェック制度の実施責任者は事業者です。事業者は制度全体の計画・進行を管理し、衛生委員会等の場を通じて、労働者や産業保健スタッフと協力し、ストレスチェック制度を適切に行うための努力が求められます。ストレスチェックを行う実施者(医師や保健師など)や実施者の手伝いをする実施事務従事者については、外部委託することも可能です。

導入前の準備

1. 基本方針の表明

事業者は、法や規則などに基づき、ストレスチェック制度の基本方針を表明します。

2. ストレスチェック制度の実施方法の審議

衛生委員会等の場で、ストレスチェック制度の実施方法について調査・審議を行います。

3. 規程の制定と周知

事業者は、実施方法を社内規程として定め、社内に周知します。

ストレスチェック実施と面接指導

1. ストレスチェックの実施

事業者は、医師、保健師、厚生労働大臣が定める研修を修了した看護師または精神保健福祉士のいずれかを実施者として、労働者のストレスチェックを行います。

2. ストレス状況の評価と面接指導の要否判定

実施者はストレスチェックの回答をもとに、ストレスの程度を評価します。自覚症状の高い人、自覚症状が一定程度あり、周囲のサポートの状況が著しく悪い人などを高ストレス者として選定し、そのなかから医師による面接指導が必要な人を判断します。

3. 本人への結果の通知

ストレスチェックの結果は、実施者から直接本人に通知されます。受検した労働者本人の同意がなければ、ストレスチェックの結果は事業者に知らされることはありません。

4. 面接指導の申し出と医師による面接指導の実施

面接指導の必要があると実施者が判断した労働者に対しては、面接指導の申出窓口をアナウンスすることが望ましいとされ、本人から申し出があった場合は、事業者は医師による面接指導を行います。

5. 医師からの意見聴取と就業上の措置の実施

事業者は面接指導をした医師から、就業上の措置への意見を聞き、必要に応じて適切な処置を講じます(労働時間や仕事内容の考慮など)。

集団ごとの分析と職場環境の改善(努力義務)

1. 集団ごとの集計・分析

事業者は実施者に、ストレスチェックの結果を部・課など一定規模の集団ごとに集計・分析させます。集団の大きさは原則10人以上。10人未満の場合は個人が特定されやすいので、全員の同意がなければ実施できません。

2. 職場環境の改善

集計・分析結果を参考にして、事業者は職場のストレス状況を把握し、必要があれば職場環境の改善を行います。

ストレスチェックで事業者や人事担当者が気を付けたいこと

ストレスチェックの実施に当たっては、労働者が安心して回答できるよう、環境を整えることが大切です。そうでなければ、労働者の状況や職場の環境が正しく反映されなくなってしまいます。

安心して受検してもらうためには、個人情報の保護や、不当な取り扱いの防止がきちんと行われていなければいけません。

個人情報の保護

1. 事業者がストレスチェックの結果を不正に入手してはいけない

2. 検査の実施者やその補助をする実施事務従事者には守秘義務がある

3. 実施事務従事者には、人事権のある人物は選任されない

4. 検査結果は実施者や実施事務従事者が適切に保存する

不当な取り扱いの防止

1. 「ストレスチェックを受けない」「面接指導の申し出を行った」「事業者へのストレスチェック結果の提出に同意しない」といった理由で労働者に不利益な扱いを行うことの禁止

2. 面接指導の結果を理由に、解雇や退職勧奨、不当な配置転換などの人事を行うことの禁止

事業者のストレスチェックの実施は義務ですが、労働者のストレスチェックの受検や面接の申し出、事業者への結果の提出は任意です。

まとめ

ストレスチェックを通じて、従業員が自らの心の状態について注意を向けるようになり、メンタルヘルスの不調を事前に防ぐことができるようになります。心身ともに健康な従業員が活躍することで、企業全体の生産性が上がることも期待できます。ぜひストレスチェック制度を効果的に活用してみましょう。

 

参考:

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