社員のモチベーションが低い!そんなときどうする?

人事・総務

社員のモチベーションが低いと職場の生産性は上がりません。変化やチャレンジを好まないモチベーションの低い社員は、なぜそうなってしまうのでしょうか? モチベーションを上げるには何をすればよいのでしょうか? 考えてみましょう。

給与が上がっても、モチベーションは上がらない?

人材採用などのサービスを行うエン・ジャパン株式会社が約8000人の正社員を対象に実施した「『月給』実態調査」では、「月給が上がったことにより、モチベーションは上がりましたか」という問いに「上がった」と答えた人はわずか22%、「上がらない」が46%、「どちらとも言えない」が33%という結果でした。

社員のモチベーションが上がらないときの解決策として、給与を上げるという方法は、社員が自分の価値を正当に認められていると感じる場合にのみ効果的です。この調査でもモチベーションが上がらなかった人に、その理由を聞くと、1位は「元々の月給に満足をしていないため」が56%、2位は「昇給額が少なかったため」で38%でした(複数回答)。いずれも、自分の価値に対して正当な給与が支払われていないと感じていることがうかがえます。

(参考:8,000名の正社員に聞く「月給」実態調査 │エン・ジャパン

金銭的報酬や賞罰などの人為的な刺激でモチベーションを上げようとする外発的動機付けは、本人の納得いくものであれば即効性があります。しかし、そうでない場合にはモチベーションは上がりません。また、一般的に外発的動機付けの効果は一時的なものであると言われています。

社員のモチベーションが低いのは、従業員エンゲージメントが低いせいかも?

従業員エンゲージメントとは、会社の仕事に対して感じる情熱や熱中する気持ちのことです。よく「精魂込めて作り上げる」という言い方をしますが、社員が自分の仕事に対し精魂を込められる精神状態ならば、従業員エンゲージメントが高いということになります。

世論調査や人材コンサルティングを行うアメリカの企業ギャラップが世界各国の企業を対象に実施した従業員エンゲージメントの調査によると、日本では従業員エンゲージメントが高い「熱意あふれる社員」の割合が6%しかいませんでした。これは米国の32%と比べて大幅に低く、調査した139カ国中132位という最下位クラスです。

なぜ日本では、従業員エンゲージメントがこれほど低いのでしょうか。日本経済新聞の取材に対し、ギャラップのジム・クリフトン会長兼最高経営責任者(CEO)は、日本では熱意ある社員が少ない理由として、自分の成長に重きを置くミレニアル世代(1980年~2000年ごろ生まれた世代)が求めているものと、日本企業の経営方法のズレを指摘しています。そして、上司の言ったことを、口答えせずに確実にやれば成功するという従来の仕事のやり方をあらためることが改善の鍵だと話しています。

(参考:「熱意ある社員」6%のみ 日本132位、米ギャラップ調査|日本経済新聞

従業員エンゲージメントが上がれば、社員のモチベーションも上がる!

従業員エンゲージメントを高め、「熱意あふれる社員」を増やすこと、「不満をまき散らしている無気力な社員」を減らすことで、職場全体のモチベーションが上がります。特に海外では、さまざまな専門家たちが従業員エンゲージメントを高める方法について論じています。

例えば、アメリカのキャリアコンサルタントのトレイシー・メイレット氏は、自身の書籍『MAGIC: Five Keys to Unlock the Power of Employee Engagement』の中で、従業員エンゲージメントを高める5つの鍵を次のように挙げています。

仕事をする意味(Meaning)

その仕事が大好きで没頭できること。自分にとって価値があると思える仕事をしているとき、目標を達成しようという意欲が沸きます。

自主性(Autonomy)

最も効果的で楽しいと思えるやり方で仕事ができること。正しい管理のもと、仕事をする場所や時間などを決める権限を持つとき、従業員エンゲージメントが上がります。

成長(Growth)

チャレンジできる環境や新しい技術を身に付ける機会があること。仕事を通して自分の成長が感じられるとき、社員のパフォーマンスが上がり、離職を防ぐことにつながります。

影響力(Impact)

自分の仕事が、自分の目標やチームの成功、組織のために役立っていること。「一事成れば万事成る」ということわざのように、人は成功することで、さらに力を発揮できます。また、顧客やリーダー、チームメンバーなどからフィードバックを受けたり、承認されたりすることが従業員エンゲージメントに作用します。

人とのつながり(Connection)

組織の使命や価値観、企業文化が自分に合っていて居心地のよい職場であること。一緒に働いている人たちと気が合う場合、従業員エンゲージメントが高くなることは明らかです。同様に、自分が組織の一員であると感じられる社員は、組織との精神的なつながりが強くなります。

 

従業員エンゲージメントを高めモチベーションを上げるためには、まず社員を承認すること

単なる給与アップなどの金銭的報酬だけではモチベーションは上がりません。モチベーションを上げる近道は、従業員エンゲージメントを高めることだと言えそうです。従来の日本企業のトップダウン型マネジメントにならずに、社員が自主的に仕事に熱中できる職場づくりがポイントとなるでしょう。

しかし、あまり難しく考えずに、まずは一人ひとりの功績を評価し承認するところから始めてみてはいかがでしょうか。例えば、チームに貢献した社員をほかの人の前で紹介したり、社長から功労者へお礼のメッセージを届けたりするという方法が考えられます。また、上司から部下に声を掛けることや、職場で意識的に感謝の言葉を使うようにするといった日頃のコミュニケーションが、承認欲求を満たすことにつながります。人間は誰でも、ほかの人に認められたいとか、受け入れられたいという感情を持っているものです。仕事を通して、社員の心を満たすことができれば、モチベーションも上がっていくことでしょう。

 

参考:

 

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