中期経営計画(2017年度~2019年度)の策定のお知らせ

当社グループは、このたび、2018年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画
(2017年度~2019年度)を策定いたしましたので、お知らせいたします。


国内印刷市場は、2008年の金融危機の影響とインターネットの普及によるデジタル化の流れもあり、長期逓減傾向にありました(経済産業省「工業統計・産業編」)。


直近では、当社が得意とします書籍分野における出版印刷は、ようやく減少に歯止めがかかり、広告宣伝物・販促ツールを対象とする商業印刷も2011年を底に小幅ながら回復基調にあります(同省「生産動態統計」)が、市場動向は依然として不透明であります。


このような事業環境の中で、出版印刷・商業印刷を中心に印刷事業が売上の9割以上を占める当社グループは、コアコンピタンスである「紙メディア」の印刷ノウハウを活かして、紙媒体のインターネット化・デジタル化が進む中でも、新たな印刷需要を掘り起こし、企業価値向上を目指してまいります。


当社グループは、中長期的に、「既存の出版印刷や商業印刷など印刷事業を行う企業から、情報に付加価値を提供してデザインする企業へと進化・発展する」ことを意図しており、今3ヵ年中期経営計画はその第1ステージとして位置づけております。


1.当社グループの概要

印刷事業が売上の9割以上を占める印刷事業を主体としている会社


・書籍・雑誌など出版物の印刷を行う出版印刷部門(63%、2016年3月期)

⇒うち、新聞印刷については子会社「関西図書印刷(株)」が担当

・広告宣伝物・販促ツールの印刷を行う商業印刷部門(32%、同上)

・子会社「学校図書(株)」による教科書等の出版事業(5%、同上)





2.当社グループの強み

・書籍・雑誌の出版印刷が主力で、出版社の企画・編集・制作部門との繋がりが強い

・印刷事業における「マス印刷対応力」と「一貫製造体制」がある

・教科書・新聞印刷など文化・教育分野における長年の実績とノウハウを保有



(製造技術力)

①出版物の大ロット、高品質、かつ、安定した品質を提供できる製造能力

・一貫製造体制による高い効率性を誇る印刷・製本設備を有する工場

・多数の印刷技能保有者の存在で示される安定した品質

・印刷会社大手ならではの幅広い生産ネットワークと展開能力


②高い製本加工技術に裏付けられた高品質・高付加価値印刷物の製造

・多くのお客様を持つ出版業界に対する多様な出版ニーズへの対応力

・長年にわたり研鑽・蓄積してきた製本加工技術による差別化


③お客様の要望に応じて「コンテンツ」を加工する能力

・専属のデザイン制作チームによる店頭販促物の一括制作体制

・デジタル制作システムを活用した編集デザイン・組版力


(営業力)

①長年の信頼関係により安定した印刷サプライヤーとしての強固な顧客基盤

②お客様のニーズを汲み取った木目細かい対応力


(事業領域)

①出版業界に高い知名度のある出版印刷事業と多くの取引先を有する商業印刷事業

②大手新聞社の新聞製造を担当する新聞印刷事業(関西図書印刷)

③教科書コンテンツを提供する教育事業(学校図書)


3.事業環境(印刷市場)に対する当社の見方

インターネットの普及によるデジタル化で、情報発信の機会は飛躍的に増加しております。
この社会背景の中、紙メディアの特長である「閲覧性」「保存性」等の価値を改めて見直す
ことで、新たなビジネスチャンスが創出されるものと思われます。



(過去~現在)

インターネット化・デジタル化で印刷市場は停滞・縮小傾向

出版印刷:電子書籍の普及などで縮小傾向が続く(特に雑誌・新聞メディア)(1997年~出版物(書籍・雑誌)の推定販売額:前年比マイナス全国出版協会・出版科学研究所「2016年度版 出版指標年報」)

商業印刷:新興勢力(インターネット通販)による低価格化、印刷部数減


(現在~将来)

印刷事業は市場環境の変化に伴う新たなビジネスの可能性

出版印刷:コミュニティ(集団)からの情報発信や自己表現ニーズの高まり、デジタル印刷関連市場の拡大、米国市場にみられる電子書籍の普及一服と紙媒体の底打ち

商業印刷:費用対効果を意識したメディアミックスによる販促ニーズの浸透、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の更なる需要増、小ロット・カスタマイズ化


4.成長戦略

①印刷事業の再強化とバリューチェーンの拡大

強みである紙メディアの印刷を中心に、既存顧客との信頼関係と継続的な取引関係を活かし、シェアアップを図ります。メディア・プランニングから編集・制作、印刷、そして物流までのバリューチェーン拡大を推進し、顧客層を厚くします。


②インターネット化・デジタル化での新たな印刷需要の掘り起こし

あらゆる情報発信機会を、印刷需要創出のビジネスチャンスと捉え、積極投資による事業展開を進め、新たな市場を掘り起こします。少品種大ロットの「マス対応」から、多品種小ロットの「カスタマイズ対応」ができる体制を整えます。


③「情報に付加価値を提供してデザインする企業」へ

既存の印刷事業を更に発展させ、情報に付加価値を提供し、最適なメディアを用いてお客様へ届ける「情報をデザインする企業」へと段階的に進化していきます。



5.戦略の具体的内容

第1ステージ(2017年度~2019年度:今3ヵ年中期経営計画)


①市場環境変化を見据えた事業構造転換

・業務プロセス見直しによる受注から生産までの業務効率化と収益力改善

⇒受注から生産までの業務システムの刷新

・製造プロセスの省力・省人化による製造原価低減

⇒工程間、リードタイムの短縮によるロス削減

⇒高品質・高効率設備の導入

⇒均一大ロット印刷から多品種小ロット印刷まで網羅する生産体制整備


②新しい市場創出に向けた積極投資

・印刷事業におけるバリューチェーン拡大に対する投資

⇒メディア・プランニング、編集・制作、物流分野の機能強化

⇒バリューチェーン拡大による新規顧客および新市場の開拓

・製造技術力の向上に対する投資加速

⇒製本加工技術の開発による高品質な印刷物の提供

⇒お客様視点に立った印刷物制作過程の効率化支援

⇒紙以外の素材への印刷加工を行う設備導入(UV、フレキソ)


③文化・教育分野の事業領域拡大(教育コンテンツ拡充、ICT活用)

・学校図書のコンテンツ制作ノウハウを活かした教科書周辺の教育教材の開発・販売

・幼児からシニアまでのライフサイクルを意識した教育ニーズ発掘による事業開発



第2ステージ(2020年度~2022年度)


①印刷事業のバリューチェーン拡大と印刷需要の掘り起こし

②教育ソリューション領域の事業確立



第3ステージ(2023年度~2025年度)


多様な発信ニーズを紙・電子・インターネットメディア等の最適な形にデザインする事業の確立


6.投資計画

今3ヵ年中期経営計画に基づき、2017年度~2019年度で総額300億円の投資を想定しております。

投資項目 投資額(億円) 投資内容
事業構造転換 100 ・市場環境変化を見据えた事業構造転換
・新しい市場創出に向けた積極投資
事業領域拡大・文化・教育分野の事業領域拡大
事業領域拡大 200

7.2019年度(第1ステージ終了時点)定量目標

(単位:百万円)

2015年度
(2016年3月期実績)
2019年度
(第1ステージ終了時点)
売上高 55,271 60,000
営業利益
(売上高営業利益率)
351
(0.6%)
1,200
(2.0%)
償却前営業利益*
(売上高償却前営業利益率)
2,024
(3.7%)
5,400
(9.0%)
ROE 0.8% 1.7%

*償却前営業利益=営業利益+減価償却費


8.配当について

今3ヵ年中期経営計画に基づき、当社の成長と企業価値向上のための投資を行うことと併せて、株主の皆様へ積極的に還元することに鑑み、本日(27日)に発表いたしました「配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」で記載いたしましたとおり、2017年3月期末の配当金は、1株当たり4円(2016年3月期末は2円)とさせていただく予定です。今後も、企業価値向上に邁進し、株主還元に積極的に努めてまいります。


(注)本資料に記載されている定量目標等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。