特集

TOPIC

数値に過ぎないデータを活かすために、「分析」で何を行っていくのか~ギャプライズ様×図書印刷対談【後編】

datadriven001-03_01

WEB集客

2020.05.14


現場のマーケターが語る『データドリブンマーケティング』最前線(1)ギャプライズ様×図書印刷対談【後編】

デジタルマーケティング担当者がデータ分析を行う際には、数値を追うだけではなく、裏側にある“本質”に迫ることが重要になってきます。

「現場のマーケターが語る『データドリブンマーケティング』最前線【前編】【中編】」に続いて、今回の【後編】では、ギャプライズの木佐壮一氏と図書印刷の多田良が、データを有効活用するための「分析」について語ります。 

データ分析は「目標設計」と「データの掘り下げ」が大事

 ――デジタルマーケティングでデータ分析を行う際、どのような点に気を付けるべきなのでしょうか。

datadriven001-03_02
多田良
図書印刷株式会社
デジタルマーケティング営業部

多田:データ分析を行う際に重要なのは、何を目標にするかを明確にすることです。お客様がデジタルマーケティングに不慣れでも、私たちが新しい技術やツールを使って、データの理解を助けることができます。効果的なデータを示すことで目標達成のヒントや気づきを得ることができるでしょう。

木佐氏:一番重要なのは、データの裏側にある“本質”を追い求めることです。データはデータでしかありません。数値を見るだけでは表層的な分析に過ぎず、担当者がそこからさらにデータや背景情報を掘り下げなければ、本質や顧客のインサイト(潜在ニーズ)にたどり着けません。

datadriven001-03_03
木佐壮一氏
株式会社ギャプライズ
マーケットインテリジェンス事業部

仮に他社サイトのPV数が、自社サイトより多いとしましょう。しかし、それは現象に過ぎないのです。「なぜ、他社が勝っているのか」――。この“なぜ”をデータ分析の担当者が突き詰めて解読しなければ、本質的な解決策にはたどり着けません

もしかしたら、広告の大量投下によって、競合に一時的に負けているだけかもしれませんし、他社サイトがコツコツとコンテンツを貯めてきたことで実力をつけて優勢になっているのかもしれません。現象の元となる施策を、「どのような広告が出稿されているのか」「どのようなコンテンツがユーザーに評価されているのか」という具合にドリルダウン(掘り下げる)して分析することが大切です。その中で、データが出てきた背景や根拠を探り出します。

 

ユーザーの購買行動を分析し、中長期的な視点を持つ

多田:単にWEBサイトのPV数だけを見てしまうと、訪問数を増やすには広告を出せばよいということになります。しかし、WEB広告を出稿するだけでは、来て欲しいお客様になかなか来てもらえないでしょう。訪問したユーザーが喜ぶ工夫やサイト内の回遊性を高め、納得してもらえることが必要になります。その際、重要なのは、ユーザーの行動を眺め渡したマーケターの中長期的な視点です。

例えば、ペットフード業界でシェア上位の企業は、自社サイト上のコンテンツとして「子猫の飼い方」を掲載することで、商品のシェア獲得につなげています。飼い方というハウツー情報をきっかけにして、飼っている猫が子猫の段階でキャットフードの顧客になってもらうのです。そうすると、その子猫が成長しても、顧客はそのままその商品を買い続けるでしょう。

SimilarWebでWEBサイトを調べれば、そうした競合他社のマーケティング施策やベストケースをあぶり出せます。SimilarWebをこのような形で使えたら、担当の人手が少なくても、デジタルマーケティングの効果が高まってくるはずです。

データ活用が当たり前になる中で、競争優位を維持するには

――データドリブンマーケティングの今後について、展望をお聞かせください。

木佐氏:前編でも申し上げましたが、データの結合や整理、AIによる分析の自動化はさらに加速していくでしょう。IoT(モノのインターネット)をはじめ、ありとあらゆるものからデータが取得できるようになってきましたが、人が処理できる能力は限られます。そのため、ツールをフルに活用したデータドリブンマーケティングは一層ニーズが高まっていくはずです。

その一方で、データ活用に取り組まない企業は市場からの撤退を余儀なくされるでしょう。こうしたビジネス環境では、市場の状態を素早く正確に掴み、仮説でも解決策を出して実行することを心掛けるべきです。それを直ちに検証し、次の行動につなげるというPDCAサイクルを活発化させることが大切になるのはないでしょうか。

 多田:経営環境が激変する中で、データドリブンマーケティングを取り入れた企業は大きく成長しています。しかし、次の段階になれば、多くの企業が同じようにデータ活用を行うことになるので、そのままでは競争優位を保ち続けられません。そうした中でも競合に打ち勝ち、一層の飛躍をなし遂げるには、顧客への提供価値の基軸を明確にして、ユーザー目線に立ったデータドリブンマーケティングの展開が必要になると思います。

datadriven001-03_04


プロフィール
木佐壮一氏
株式会社ギャプライズ マーケットインテリジェンス事業部

2018年8月に株式会社ギャプライズ マーケットインテリジェンス事業部のSimilarWebのカスタマーサクセスチームにJoin後、カスタマーサクセス、オンボーディングスペシャリストを立ち上げたのちに、現在はカスタマーサクセスチームのマネージャーを担っている。

多田良
図書印刷株式会社デジタルマーケティング営業部

WEBアナリストとしてGoogle Analyticsほか、さまざまなツールを用いてECサイトの分析からKPI設計、改善提案まで、企業のデータ活用を支援。

 

図書印刷のデジタルマーケティング支援サービス

図書印刷では、WEBサイトやEC事業の構築・リニューアルも含めた幅広いデジタルマーケティング支援サービスを提供しています。お客様の課題や外部環境を踏まえた上で、企業(またはブランド)の強み・特長を、データに基づいて洞察、咀嚼/翻訳し、課題解決へ向けた戦略プランの設計から運用までをお手伝いしております。

「図書印刷が描くDX時代のマーケティング透視図」のページでは、当社の「デジタルマーケティング支援サービス」の導入企業のご担当者様や、デジタルマーケティング界の識者の方々へのインタビューを通じて得られた「生の声」を掲載。ぜひお客様のマーケティング活動にお役立てください。

図書印刷が描くDX時代のマーケティング透視図

bn_digima_interview_800x132

  • メールマガジン申し込みへ
  • お役立ち資料ダウンロードページ
  • Webマーケティングに役立つオリジナルコラム まとめリンク集
  • bn_column_r_interview