OFF -JT(Off The Job Training)とは、新人研修や管理職研修などに代表される「職場外での研修」を意味します。
実務を行いながら学ぶOJT(On The Job Training)とともに、人材育成の中核を成します。
ここでは、近年のOFF -JTの多様な種類と、そのメリット・デメリットについて紹介します。
OFF -JTは大きく分けると集合型、非対面型(eラーニング)の2種類があります。
集合型は通常「研修」と呼ばれ、1人の講師が大勢の社員を指導します。
現場で学ぶことは難しい高度な専門知識を、一度に大勢の社員に指導できる点が大きなメリットです。
eラーニングはインターネットを利用した自学自習タイプの教育です。
受講者が、時間・場所を選択できる点がメリットです。
近年は通信ネットワーク環境が普及したこともあり、eラーニング導入に積極的な企業も増えています。
集合型研修には新入社員研修・中堅社員研修・管理職研修などの階層別研修や、各部門の業務に必要な知識を学ぶ研修、コンプライアンス・メンタルヘルス・ロジカルシンキングなどのビジネス全般について学ぶ研修などがあります。
集合型研修は、研修の目的に合わせ受講する社員を選別可能です。
必要な時期に必要な層に対して実施できるメリットがあります。
自分の都合の良い時間・場所で受講することができる点がメリットです。
スマートフォン、タブレットを使用して移動時間などでも学べるので、eラーニングは社員にとって手軽です。
近年は動画のコンテンツも増えているので、非対面であっても臨場感がある講義を受けることが可能です。
またeラーニングのコンテンツは、近年、集合型研修と遜色ないほど充実した内容になりつつあります。
eラーニングで知識レベルを揃え、その後の集合研修ではより高いレベルの研修をすぐにスタートさせる反転学習に利用するなど、教育方法を組み合わせる新しいスタイルも登場しています。
集合型研修と比べ低コストである点もメリットです。
集合型研修は最新の知識を学べるメリットがある反面、費用が高く、大勢を一同に集める必要があるため何回も開催できないというデメリットがあります。
また、eラーニングも社員の意欲に個人差があるため、均質な結果が期待できないというマイナス面があります。
以下に簡潔にまとめました。
・時間的・費用的制約がある
・総合的・体系的に学べるものの、すぐに現場に活かせる実践的な内容ではないことが多い
・現場の状況と内容がかけ離れているケースもある
・講師により当たり外れがある
・研修した知識がなかなか定着しない
・はっきりとした効果を確認できない
・自主性に任せるため、社員によってはモチベーションの維持が難しい
・受講中に疑問点をその場で確認できない
・研修内容を現場に活かせないケースがある
・営業のロールプレイングのように実技を学ぶ内容においては、集合研修ほど効果的でない
・通信インフラが不十分な環境では受講が困難
実践的なOJTと、知識を体系的に学び、思考の幅を広げることができるOFF -JTをバランスよく導入することで相乗効果が期待できます。
また、集合研修とeラーニングを組み合わせて行う「ブレンディング」というスタイルの研修を行う企業も増えつつあります。
どのようなOFF-JTがベストかは企業によって異なりますが、教育ツールやカリキュラムの進歩により、以前よりも企業が人材育成に投資しやすい環境が整ってきていることは間違いありません。
OFF-JTを積極的に行い、社員の成長を支援していきましょう。
参考: