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EC O2O

今さら聞けない「O2O」オムニチャネルとの違いや活用事例を解説

基本を知れば意外と簡単!今さら聞けない「O2O」をズバリ解説します

飲食店のメルマガに何気なく登録したら、「このメールをお見せいただければランチ10% off!」なんてお知らせを毎日のように受け取るようになったという経験はありませんか。
実はこれもO2O(オー・トゥー・オー)のひとつです。O2Oに注目が集まったのはスマートフォンの普及後ですが、オンラインから実際のお店へ、顧客を誘導する販売促進施策全般をO2Oと呼びます。
O2O注目の背景には、消費者の購入チャネルの変化があります。インターネット通販での商品の購入(EC:Electronic Commerce=電子商取引)が盛んになると、インターネットで商品を検索してから実店舗に足を運び、商品を品定めする人が増えました。そのため、ECも含めた販売チャネル全体の構築やオンラインでのマーケティング施策が、実店舗での販売にも大きく影響するようになったのです。
今回はO2Oが注目されるようになった背景や、オムニチャネルとの違い、活用方法までご紹介します。

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目次

EC市場はどこまで伸びる?

O2Oの解説の前に、その生みの親ともいえるEC市場の動向を2つの視点からみてみましょう。

販売会社や消費者の変化

Amazonや楽天がECの大手ですが、そこに大手流通小売業も進出してきています。さらにメーカーも自社のECサイトを立ち上げたり、地方の企業が名産品をECで売るようになったりと、参入する会社が急増しました。

一方、スマートフォンの普及でいつでもどこでもインターネットに接続できるようになり、ECの利用もより気軽になりました。ECショップで使えるクーポンや割引サービスにより、店舗よりもECで購入する方がお得感もあるので、EC利用者が増えているのは当然かもしれません。

消費者が求めるもの

消費者はより安い商品に消費をシフトさせており、その結果ECが伸びているのは事実です。さらに、欲しい商品を検索できることや、新しい商品との出会いがあることなど、インターネットならではの利便性もEC市場の盛り上がりをあと押ししています。

また、FacebookやTwitterなど口コミでの広がりは、「モノからコト」への消費の変化のひとつです。購入後の感想をSNSにアップしたり、それを読んだりすることが日常的な楽しみにもなっており、インターネットが商品情報の入り口として大きな役割を担うようになっています。

O2Oって何?

そこで注目されてきたのがO2Oです。O2Oとは何か、詳しくみてみましょう。

O2Oとは

「O2O」はOnline to Offlineの略語で、インターネットを使って実店舗に集客するための施策のことです。冒頭で挙げたメルマガの例が分かりやすいですが、それ以外にも、ECのようなオンライン上での商行為が、実店舗での購買行動にも影響を及ぼしていることに注目し、両者を連動させる際の考え方全般に用いられています。

野村総合研究所発表の「インターネットの日本経済への貢献に関する調査研究[インターネット経済調査報告書 2014版]」(PDF)によると、店舗をはじめインターネット以外の消費活動で消費された金額の22%ほどが、事前のインターネットによる情報収集を経ているようです。つまり1店舗で100万円の売り上げがあれば、そのうち20万円以上がインターネットを利用した集客による売り上げということになります。もしインターネット上にチャネルを持たない店舗が新たにネット上で販促をすると、1割以上売り上げが伸びるかもしれません。

ネット広告、デジタルマーケティングの重要度の高まり

電通の「日本の広告費2016」の統計でも、新聞や雑誌広告は広告費が減少していますが、インターネットでは増加しています。インターネット広告の効果を広告主も認めているからにほかなりません。

ネット広告の優れている点は、効果がすぐにわかることです。アクセス数や購買数のデータを把握しやすく効果測定が比較的容易なため、すぐに次の手が打てるわけです。

また、ECでの購入者は氏名や住所を登録しますが、性別や年齢、趣味などを同時に取得できれば、ネット広告の反響や結果をさらに深く分析することもできます。販促結果と顧客情報を個別にひもづけられるのが大きな特徴です。購入履歴、販促による反応、メールでの問い合わせ履歴などをデータベース化し、顧客に応じた商品情報を継続的に提供することで、顧客の囲い込みをすることもできます。

O2Oとオムニチャネルの違いとは?

ところで、O2Oと似た言葉に「オムニチャネル」があります。こちらはネットと実店舗の情報の連携によるマーケティング活動のことです。また、Offline to Onlineという逆方向の流れをO2Oと呼ぶことも増えており、ネットと実店舗を自由に行き来する消費者に合わせて、両者を統合的に考える思考が求められているといえるでしょう。

そこで、次にオムニチャネルについて解説します。

「いつでもどこでも買える仕組み」がオムニチャネル

「オムニ(omni)」は「あらゆる」という意味で、「チャネル(channel)」は販売経路を指します。消費者が実店舗であるか通販であるか、ネットショップであるか、などに関わりなく商品を購入でき、かつ注文方法も電話、パソコンからのEC、スマートフォンからのECなど、どこからアクセスしても同等の買い物体験を可能にするということです。

例えば店で洋服を買うとき、気に入った服のサイズが品切れなら通常は泣く泣く店をあとにしますが、再来店の必要もなくその場で目的の商品をインターネットで購入でき、翌日には配送できるような仕組みを指します。

さらに最近では、ECで購入した商品を実店舗で受け取ったり、別系列の店舗の商品を最寄りの店舗で購入して引き取ったりすることも可能になっています。

O2Oがインターネットから実店舗への“誘導”が目的なのに対し、オムニチャネルはECと実店舗の区別なく、どこからアクセスしても同等の買い物体験を提供することが目的です。

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オムニチャネルに関しての詳しい解説や成功の秘訣はこちらの記事でも紹介しています。
オムニチャネル戦略とは?クロスチャネルとの違いと成功のポイント

顧客データの一元化で「おもてなし力」をUP

ただ、オムニチャネルの導入には大規模な組織改変やコストが伴うため、実際に活用しているのは大手小売業が中心です。

グループ企業の商品が多種で大規模なほど、系列店が連携した販売体制をとれるので、結果的に消費者の満足度が高まります。消費者にとっては「品切れがない」「数多い商品から選べる」ことは魅力的ですし、購入ごとにポイントがたまるシステムが各店共通で利用できるなら、どの商品も同系列店から買うようになるわけです。

また、店舗にとっては、これまで実店舗では得られなかった来店者個人の情報も、ECの購入履歴から知ることができます。店舗のスタッフから、数日前のECでの買い物についてお礼を言われたら悪い気はしないでしょう。グループ内での顧客データの共有と分析が進めば、顧客の嗜好に合った施策が多方面から仕掛けられます。それがきめ細かくニーズに合ったものであれば、デジタル時代ならではの「おもてなし」が可能になります。

O2Oの活用事例

オムニチャネルの実現はハードルが高いかもしれませんが、O2Oは比較的手軽に実施できる施策もあります。具体的な例を見てみましょう。

事例1:クーポンの利用

クーポン(割引券や優待券)は紙に印刷したチケットやチラシを配布したり、来店者に手渡ししたりして集客につなげる販促のひとつです。

O2Oにおけるクーポンは、これをインターネット上で行ったものです。Web上のクーポンはSNSと連動することによって、距離を超えた人づての広がりも期待できます。お店のFacebookのページがあれば、そこで発行することもできます。もちろんネット広告と同時にクーポンを発行すればより規模を大きくできます。

紙のチラシにQRコードを印刷すれば、スマートフォンでそれを読み込んでもらうことでクーポンをより簡単に受け取ることができます。店頭を訪れた利用者は、クーポン画面をスマートフォンで提示して利用します。

折り込みチラシの切り取りタイプのような紙のクーポンだと、保管しておきながら利用時には持ち合わせていなかったということがよくあります。Web上で発行されたクーポンや、QRコードをあらかじめ読み込んだものならば、そのようなことが減ります。このあたりもデジタルならではの強みといえそうです。

Web上のクーポンは個人商店でも紙のチラシのような気軽さで発信でき、SNSサイトを自社サイト代わりに併用すれば、小規模ながらも情報発信やクーポン発行ができ、再来店の効果が期待できます。ECを行っていない飲食店やサービス業でも、すぐに実施できるデジタルマーケティングのひとつです。

事例2:メールマガジンの利用

さらに一歩進めて、メールマガジンを考えてみましょう。記事と一緒に関連商品のクーポンを発行できます。郵送のダイレクトメールは中高年の顧客向け、電子メールは若い世代向けというような使い分けもできます。また、電子メールは住所や個人名の登録がいらないので、見込み客を広く集めるのにも適しています。

事例3:ポイント付与

紙や磁気カードにポイントをためるより、クーポンを保存したスマートフォンでポイント管理をできる方が、若い人は喜ぶかもしれません。新しいリピート獲得の方法です。

事例4:位置情報システムとの連動

外出先で食事のとき、スマートフォンでお店を探すことがあります。位置情報から、割引クーポンを近くで発行している店を選び出してくれるアプリもあるので、そんなときに利用すると便利です。お店としてはこのような位置情報に連動したクーポンの発行や紹介の仕組みを利用すれば、看板やチラシより効率がいいかもしれません。

事例5:自社サイトの開設

会社やその商品に興味を持った人はまずホームページを訪れますので、自社サイトが一切ないというのはビジネス上マイナスです。個人商店でも、お店や店主の紹介など簡単なものでもいいので用意しておきたいものです。初めての利用者は店主や店の雰囲気などを重視するもの。好印象で伝われば自社サイトも立派なO2Oのひとつになります。

また実店舗が主体でも、来店できないときのためにECの販売サイトを用意しておけば実益が期待できるだけでなく、オムニチャネルと同様に顧客の満足度が向上し、リピート率を高めることもできます。

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ECサイト構築に関する詳しい解説は下記でご覧いただけます。
【無料eBOOK】自社ECサイト構築の教科書-成功のための5つのポイント-

他にもさまざまなO2Oの成功事例があります。他社の事例を研究することは、新たな施策の第一歩となりますので、参考にするとよいでしょう。

O2O運用と効果を高める5つのステップ

さて、O2Oの手法についてご理解いただけたと思います。しかしすべてを一度に実施するのは難しいので、ひとつひとつ進めていきましょう。

1.ターゲットの設定

オンラインとオフラインを問わず、販売施策の狙いを外さないためにターゲット(客層)を定めておきましょう。O2Oで代表的なWeb上のクーポンを発行するにも、その対象商品やデザイン、特典などを、性別、年代、居住圏などのターゲットに合ったものにした方が集客もより確実なものになります。

2.自社メディアの活用

クーポンを発信し有料のネット広告に出稿する前に、自社サイトやSNSから利便性のある情報やサービスを提供することから考えてみましょう。

健康食品の販売サイトが健康に関する情報を提供するといったように、自社サイトからの情報発信であるオウンドメディアを発行するのも一手です。

自社メディアのなかで、商品の在庫状況やサービスの予約状況をリアルタイムに示し、ネット上から予約ができるようにするのもよいでしょう。そのほか、利用者の声を伝えることや、正式に発注をしなくても、条件を入力すると簡易見積もりの料金がシミュレーションできる仕組みを用意するなど、いろいろできそうです。

3.大手ECへの出店も周知策と考える

Amazonや楽天などの大手ECサイトに出品や出店をすることも検討しましょう。販売目的だけではなく、広告宣伝として実店舗に顧客を呼ぶ効果も期待できます。

多くの人は、商品の購入前に価格比較サイトや通販サイトなどで価格やレビューをチェックします。もし目当ての商品が近くの店舗にあるなら実店舗に足を運ぶことになります。もちろん一度店舗で見て、価格の安いECを選ぶこともあります。

4.自社サイトの充実のあとにネット広告

自社サイトの充実と、さらに通販サイトへの出店まで進んだら、次はそれらのどの販売チャネルにも顧客を呼び込む周知活動が必要です。それがネット広告です。Googleといった検索エンジンにヒットさせるためのリスティング広告、人気サイトに出稿するバナー広告、利用者の検索内容に応じた広告を示すレコメンド機能や、動画サイト、SNSの関連ページに出稿するなどさまざまな方法を検討していきます。

5.KPIの設定と管理

ネット広告は有料なので、広告や発行したクーポンの効果を検証し、効果を高めるように修正していかなければなりません。また、その結果から従来のメディア(DMやチラシ、雑誌広告など)との連携を取る必要もあります。その指標をKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)と呼びます。一見難しそうですが、要は広告や販売施策の効果検証を行うために、見るべき指標をあらかじめ決めておくということです。

ネット広告では、クリック数とECの来店者の増加数などで効果を測定しますが、クリック数は分かっても、来店数や売上高との相関が見つけられないこともあります。その点クーポンは利用者数を特定しやすいので、売り上げへの貢献度がわかりやすいといえます。

最初は、DMや折り込みチラシといった従来メディアと重複しないようにテスト発信をくり返す必要があります。その効果をメディアごと、発信の時期別、顧客が新規かリピーターか、その性別や年代ごとなどで把握し、各施策の効果の特性を知ることが大切です。

デジタルメディアは従来の広告より割安感がありますが、大量に出稿すれば大きなコストになります。効果と連動した出稿が重要です。

まとめ

O2Oについてイメージがわいたでしょうか? O2O戦略の利点をまとめると以下のようになります。

  1. インターネット上のさまざまな情報チャネルから認知してもらうことができる。
  2. クリック数やクーポンの利用数などの効果を、数値で短い時間に把握できる。
  3. 一度購入してくれた人をリスト化することができ、購買履歴や属性分析といった顧客データベースをマーケティングに活用できる。

つまり、単にオンラインからオフラインに送客できるだけでなく、効果測定が容易なため施策の良し悪しが検証できたり、顧客データベースを構築することができたりといったマーケティング上の利点があるというのが、O2Oの大きな特徴なのです。

もちろん、すべてをデジタルのツールやメディアに頼らず、店頭でチラシを配布したり、新聞の折り込み広告を使ったり、美しい印刷のパンフレットを用意したりするなど、実店舗やオフラインでのメディア展開によるコミュニケーションを進めることも忘れないようにしたいものです。従来のチャネルも活かしつつデジタル化を進める方が、顧客との接点を増やすことになるからです。

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