リテンションマーケティングとは?顧客との関係を長く維持するための施策を解説

リテンションマーケティングとは?顧客との関係を長く維持するための施策を解説

マーケティング

高齢化と人口減少が進む日本では、既存の顧客との関係を維持することが企業の成長の鍵となります。そして既存の顧客と長期的な関係を築くためには、丁寧なコミュニケーション、良い体験、高い価値を提供することによって、「またこの商品・サービスを使いたい」と思ってもらうことが大切です。今回は顧客と良い関係を維持していくための「リテンションマーケティング」について解説します。

リテンションマーケティングとは?

リテンション(retention)とは、「保持」「維持」という意味の英語です。リテンションマーケティングとは、既存の顧客との良好な関係性を維持していくための施策を指します。新規顧客の獲得ではなく、既存の顧客に対してリピート購入や購買単価の向上を促すためのマーケティング施策です。

クーポンやポイントもリテンションマーケティング

ドラッグストアや飲食店で、商品を買った際に次回に使えるクーポンをもらったことはありませんか?あるいは一度利用したECサイトから、顧客限定セールへの招待メールが届いたことはないでしょうか?

リテンションマーケティングは、いわゆるアフターサービスや、既存顧客限定の特典・キャンペーン、ポイントシステム、メールマガジンや会報誌、SNSなどによる継続的な情報の提供、といったさまざまな取り組みを含んでいます。

CRMを活用したリテンションマーケティング

なかでも最近のWEBを中心としたリテンションマーケティングでは、顧客データや販売データを利用し、顧客の属性や購買履歴に合わせたアプローチを行うCRM(顧客関係管理)を導入することが一般的になりました。

※CRMについて詳しく知りたい方は、以下の無料eBookをお役立てください。

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CRMでは、顧客データをもとにしたメールマガジンのセグメント配信や、顧客のWEB上の行動に従ってパーソナライズした情報を提供するステップメールといった手法によって、きめの細かいアプローチが可能です。

CRMの手法例①:メールマガジンのセグメント配信

セグメント配信とは、顧客を分類し、それぞれの属性・状態に合った情報を配信することです。例えば、ECや実店舗の会員に向けて、商品情報やクーポン・キャンペーンなどの特典情報を配信し、次回の利用を促すメールマガジンもそのひとつです。登録時に取得した会員の属性や購買履歴などのデータをもとに、お知らせや特典の内容を切り替えて送ることで、より顧客のニーズに合ったコミュニケーションができます。

CRMの手法例②:パーソナライズしたステップメール

パーソナライズとは、一人ひとりのユーザーに合わせてサービスを提供することを言いますが、ステップメールもその手法のひとつです。ステップメールでは、商品購入後の個々の顧客の行動や心理に合わせて、段階的にフォローアップのメールを配信し、顧客のリピート購入や再訪を促します。購入直後にはお礼やフォローを、商品を使用しているときには使い方などのアドバイス情報を、そしてその商品を使い終わるころにはリピート購入を勧めるクーポン付きのメッセージを送るというように、あらかじめ準備したストーリーに沿って、個別のタイミングでメールを配信します。

リテンションマーケティングを行う4つのメリット

リテンションマーケティングによって顧客との良好な関係を維持できると、いろいろなメリットが生まれます。ここでは代表的なメリットを4つ紹介します。

LTVが向上する

リテンションマーケティングによって、利用をリピートする顧客が増えると、将来的な収益性を考える指標、LTV(顧客生涯価値=1人の顧客が取引を始めてから終わるまでの期間にもたらす利益の総額)が向上します。「1:5の法則」(※1)や「5:25の法則」(※2)で言われるように、新規で顧客を獲得するよりも既存の顧客を維持する方が、コストも時間もかからないため、利益率の向上が見込めます。

・LTV(顧客生涯価値)については以下で詳しく解説しています。

LTV(ライフタイムバリュー)とは?重要ポイントを解説

(※1)「1:5の法則」:新規顧客を獲得するには、既存の顧客を維持するコストの5倍のコストが必要というマーケティングの法則
(※2)「5:25の法則」:顧客離れを5%改善できれば、最低でも25%の収益向上が見込めるというマーケティングの法則

優良顧客の育成

顧客ニーズに合わせた丁寧なコミュニケーションを実現することで、よりクラスの高い商品を選んでもらったり(アップセル)、関連商品を合わせ買いしてもらったり(クロスセル)といった形で顧客単価を上げることができます。こうしてより購入金額の大きい優良顧客を増やすことができると、利益率が向上して経営の安定が望めます。さらに、優良顧客を優遇する、特別な体験を提供するといった取り組みによって、信頼感や愛着を持って企業を支持してくれるロイヤルカスタマーを育てることも可能です。

休眠顧客の掘り起こし

リテンションマーケティングでは、しばらく利用のない休眠顧客に情報を送り続けることで、再び自社に目を向けてもらうきっかけをつくることができます。顧客のデータをもとに、特典やキャンペーンといったコミュニケーション内容を工夫しながら、粘り強くアプローチします。

既存顧客からのフィードバックを期待できる

長く商品やサービスを使い続けてくれる顧客からは、良質なフィードバックを受けられることがしばしばあります。実際に使用してきた生活者ならではの指摘や意見は、サービス改善や、新製品開発の大きなヒントになるはずです。

リテンションマーケティング4つのポイント

リテンションマーケティングの際に重視したいポイントを4点紹介します。

ポイント1 顧客を分類・分析する

リテンションマーケティングでは、顧客のことをよく知り、ターゲットに合ったアプローチをすることが重要です。

リテンションマーケティングの戦略を立てる際には、属性や行動履歴のデータを分析して、顧客のセグメントを行います。「初めてそのサイトを利用した」「〇〇ジャンルの商品を購入」「割引クーポンに反応した」といったWEB上の動きから、「間隔を置かずに次のメッセージを送る」「同じジャンルの関連商品を紹介する」「割引クーポンを付ける」というように、どんなアプローチが有効なのかを考えることができます。

RFM分析

顧客セグメンテーションのための代表的な分析方法のひとつが「RFM分析」です。RFMという名称はRecency(直近の購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(累計購入金額)の頭文字から来ており、これらの指標を用いて顧客データを分析します。

RFM分析では、頻繁に多くのお金を使う優良顧客、一定期間利用のない休眠顧客、他社に乗り換えた離反顧客のほか、新規顧客、安定顧客などに購買層を分類します。これらの分類と属性などを掛け合わせて購買傾向を導き出し、顧客セグメントごとのリテンション戦略を立てます。

・RFM分析については以下で詳しく解説しています。RFM分析を理解しよう-購入時期、頻度、金額で顧客の状態を見える化

ポイント2 セグメントに合わせて的確にアプローチを行う

セグメントの特性やこちらの意図に合わせて、情報提供やプロモーションを行います。

例えばリピーター向けと休眠顧客向けのメールマガジンに掲載するクーポンを切り替えるとします。一定の関係ができておりクロスセルを狙いたいリピーターには、通常商品に加えて関連商品の購入を勧めるために、セット買いでお得になるクーポンを掲載します。

一方、しばらく購入のない休眠顧客向けには、とにかく目にとめてもらって再購入をアピールするために、目玉商品のクーポンを発行します。

ただし安ければいい、お得ならなんでもいいというものではありません。顧客に「今後もこの商品・サービスを使いたい」と感じてもらい、長期的な良い関係を築くためには、自社の商品・サービスの価値への理解を促すことが必要だからです。何よりも質の高いCX(顧客体験)の提供が大事だということを忘れないようにしましょう。

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ポイント3 効果測定と検証の結果を次の施策に生かす

リテンションマーケティングを実施する際は、効果測定が必要不可欠です。効果測定によって成果を確認し、課題があればどんどん改善します。さらにそのデータは顧客のインサイトを理解するための貴重な資産になります。新たな知見を次のコミュニケーションに生かし、その結果からさらに顧客の行動や心理への理解を深めて、施策の精度を高めていきます。

ポイント4 CRM支援ツールを活用する

ここまで見てきたようなデータ管理やデータ分析、セグメンテーションとそれに基づいた情報の出し分けなどの作業は、それぞれに専門性が高く手間もかかるため、人手で行うには限界があります。

そこで今、広く利用されているのが、CRM(顧客関係管理)支援ツールやCRM支援サービスです。CRM支援ツールには多くの種類がありますが、主な機能は顧客情報の収集、分析、管理の自動化です。支援ツールや支援サービスを導入して使いこなすことで、人的リソースや専門的な知識の不足を補い、PDCAを早く回転させることが可能になります。

既存顧客との関係性維持が売上向上の鍵になる

顧客と良好な関係を維持するためのリテンションマーケティングが成功すれば、将来にわたって売上が伸び、利益率が上がっていきます。顧客をよく知り、その行動や特性に合った最適なアプローチを行って、「今後もこの商品やサービスを使い続けたい」と思われるような良い関係を顧客と築きましょう。

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参考:

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