消費者が本気でトークするコミュニティマーケティングとは?

マーケティング

インターネットの普及とともに、SNSを通じて同じ価値観を持つ人同士がオンライン上でつながりを持ったり、情報交換をしたりすることが増えてきました。このようなオンライン上で生まれたコミュニティをヒントにした「コミュニティマーケティング」をご存じでしょうか。この記事では、コミュニティマーケティングで実現できることや成功させるためのポイントについてご紹介します。

コミュニティマーケティングとは?

まず、コミュニティマーケティングとは何かを解説します。

「コミュニティ」とは?

コミュニティは時として「地域社会」という言葉と置き換えられることがあります。この場合のコミュニティとは、共通の地域に居住して利害を共にする共同体のことです。

これに対して、マーケティングにおけるコミュニティは、「消費者コミュニティ」という言葉と置き換えることができます。消費者コミュニティにおける共通の話題は、特定の企業や商品です。

マーケティングにおけるコミュニティの例を挙げると、「コーヒーが好きな人のコミュニティ」「化粧品に詳しい人のコミュニティ」といった具合です。InstagramやTwitterに代表されるSNSでは、特定の分野の情報を発信する企業や人をフォローすることができるため、オンライン上にはSNSを通じて形成されたさまざまなコミュニティが存在しています。

コミュニティマーケティングの特徴

コミュニティマーケティングとは、文字どおりコミュニティを用いたマーケティングのことです。一般的な方法として、企業が自社の商品やサービスにまつわるコミュニケーションの場を設けて、消費者に参加してもらうというやり方があります。

マーケティングの基本は顧客分析です。その一環としての市場調査では、共通する属性のグループにインタビューを行い、消費者の本音を聞き出すということも珍しくありません。

しかし、コミュニティマーケティングでは、企業が消費者に対して一方的に質問を投げかけるだけではなく、消費者同士が対話をし、企業がその様子を観察するところに特徴があります。コミュニティ内の消費者同士が対話することを通じて、一方的なインタビューでは得られにくい消費者の率直な意見や困りごとを引き出せるというメリットがあります。

また、オンライン上のコミュニティであれば、消費者は時間や場所を気にせずに気軽に参加できます。このことに着目して、オンラインのコミュニティをマーケティングに活用しようという企業が増えています。

コミュニティマーケティングが実現できること

次に、コミュニティマーケティングが実現できることについて、事例を用いて紹介します。

顧客視点の商品開発

コミュニティには「おいしいコーヒーが飲みたい」「メイクがうまくなりたい」などの共通の目的を持った人が集まります。その人たちの声を集めることで、顧客の気持ちに寄り添った商品やサービスを生み出すきっかけとなるでしょう。

コーヒーのマーケティングを例に挙げましょう。ネスレ日本は、2012年5月にネスカフェを愛用する消費者のオンラインコミュニティ「ネスカフェ ドルチェ グスト ロイヤルティクラブ」を立ち上げてマーケティングに活用しています。

コミュニティに集まる人たちはネスカフェを愛用しているため、マーケティング担当が質問を投げかけると当事者としての率直な意見が返ってきます。コミュニティから引き出した意見をもとに、ネスレは安価に楽しめるカフェオレや、ケース単位ではなく箱単位で注文できるサービス、ギフトに適したコーヒーマシンなどを生み出しました。

街頭調査のようにランダムな消費者に意見を求めるのでは、的を射た意見が得られないこともあります。しかし、コミュニティマーケティングでは当事者意識を持った人の意見を集めることができるという点で、効率よく調査することができます。             

消費者同士で問題解決

2014年に自社コミュニティ「SHISEIDO おめかし会議」を立ち上げた資生堂では、コミュニティ内で消費者同士が自発的に問題解決をする場面が見られます。

例えば、ある商品で「昼用と夜用で値段の差があるのはなぜか」という質問が消費者から挙がったことがあり、その際は、資生堂が質問に回答する前に、化粧品の成分に詳しい別の消費者が的確に回答していました。

また、大企業の場合、支社や各店が展開する独自のキャンペーン情報のすべてを把握しきれないことも多々ありますが、資生堂の自社コミュニティでは消費者同士がキャンペーン情報をいち早く教えあう姿が見られ、企業が消費者間の情報ネットワークに助けられる場面もあるようです。

このような消費者同士の自発的なコミュニケーションは、企業が対応するよりも先に問題を解決することができる可能性があります。

企業と消費者の絆を強化

コミュニティマーケティングでは、企業と消費者がコミュニケーションを深めながら関係を強化することができます。

上記のネスレや資生堂の事例で、消費者が企業のために情報を提供する理由は何でしょうか。おそらく、企業や商品に愛着を持っていて、「誰かに商品の良さを伝えたい」「自分の意見を商品開発に反映してほしい」という想いを心の内に秘めているからでしょう。

コミュニティマーケティングでは、そのような消費者の熱意を企業が尊重することから、消費者も企業にますます愛着を持つようになります。

コミュニティマーケティングを成功させるポイント

続いて、コミュニティマーケティングを成功させるためのポイントについて見ていきましょう。

コミュニティサイトを立ち上げよう

オープンなSNSではさまざまなコミュニティが生まれやすい反面、深い会話に発展する前に情報が次から次へと流れていってしまいがちです。企業がマーケティングを目的として効果的に情報を蓄積していくためには、自社でコミュニティサイトを立ち上げ、運営するという方法があります。コミュニティサイトから得られる有意義な情報はデータとして収集し、さまざまな顧客データを数値的に検証していくことが重要です。

発言しやすい環境を作る

消費者が自由に意見を交わすことができる場をつくる工夫として、困りごとをトピックにするという方法があります。「商品Aについて語り合おう」というトピックでは、その商品を使ったことがある人しか会話に参加できません。「〇〇を解決するには?」のように、コミュニティの消費者が会話に参加しやすいトピックを用意し、自由な発言ができる雰囲気づくりを心がけましょう。

オンラインとオフラインの活動を組み合わせる

例えば、コミュニティサイトで培った消費者との絆をさらに強化するために、工場見学のイベントを行うなどオンラインとオフラインの活動を組み合わせてみましょう。これにより、工場見学に参加した消費者がコミュニティサイトで発言し、その発言を読んだ別の消費者が商品に興味を持つ、という好循環が期待できます。コミュニティサイトをより活性化するためには、消費者と直接対話をする機会を持つことも検討してみましょう。

まとめ

コミュニティマーケティングにより、企業は消費者との絆を深めながらマーケティングに必要な情報を効率よく集めることができます。コミュニティマーケティングから得られた情報をヒントに、ファンの気持ちに寄り添った企業活動を行いましょう。

参考:

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