改めて考えたい・ECサイトにおけるCRMの重要性

マーケティング

人口の減少や市場の飽和、顧客行動の多様化などを背景に年々激化するEC市場において、改めてCRMの重要性が見直されつつあります。この記事ではEC市場の現状を俯瞰し、CRMの概要について説明したうえで、ECにおけるCRMの重要性についてお話します。

ECの現状

日本でいわゆるECが普及し始めたのは、1990年台の中盤~後半と考えられています。インターネット・ショッピングモール「楽天市場」のサービスが開始されたのが1997年の5月、「Yahoo!ショッピング」のオープンは1999年9月、Amazon.co.jpは少し遅れて2000年11月にオープンしています。

当時は「目新しいサービス」として注目されたECは、今ではすっかり一般化し、インターネットで商品を購入するという行為は、多くの人にとってごく日常的なこととなりました。

経済産業省の『平成 30 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)』によれば、2018年の日本国内EC市場(BtoC)における物販系分野の市場規模は9兆2,992億円で、前年の8兆6,008億円から8.12%の伸び率を記録しています。このデータは日本国内のECがまだまだ成長市場であることを裏付けていますが、一方で、同調査開始以降、毎年10%以上の伸長率を記録してきたことを考えると、市場規模の拡大は鈍化しつつあると見ることもできるでしょう。

このような状況を考えると、今後は多くのEC店舗が限られた市場のなかでパイを取り合うようになることは想像に難くありません。このようななか、顧客に対する新たな価値を提供するための手段として、CRMの重要性が改めて見直されてきています。

そもそもCRMとは?

CRMはCustomer Relationship Managementの頭文字を並べたもので、日本語では「顧客関係性管理」「顧客関係性マネジメント」などと訳されています。企業が顧客との間に良好な関係を築き、一見客からリピート顧客へ、リピート顧客からファンへと育成していくためのさまざまな取り組みがCRMです。

CRMでは顧客一人ひとりに対して最適化したサービスを提供する、いわゆるOne to Oneマーケティングの思想を実現します。こうした活動を通じてLTV(Life Time Value/顧客生涯価値)の最大化を目指すのが、CRMの大きな目的のひとつだといえます。

※1 LTV:顧客が生涯を通じて企業にもたらす価値。詳細は、コラム「顧客関係管理の最重要指標!LTVを理解しよう」にてご確認いただけます。

CRMに取り組む際、多くの場合はCRMツールと呼ばれるソフトウェアを導入します。CRMツールは、顧客の基本属性や行動履歴等の情報を管理するとともに、企業と顧客とのコミュニケーションを記録する役割を果たします。このようにして蓄積された情報を可視化して分析することで、どの顧客に対して、いつ、どのようなアプローチをかけるべきかを探っていきます。

機械学習・深層学習などの人工知能(AI)技術の向上・普及により、インターネット上で顧客がとった行動の履歴、SNS上での投稿をはじめとしたビッグデータなどを高い精度で分析できる素地が整いつつあります。CRMが改めて注目され始めている背景には、こうした事情もあるのかもしれません。

なぜ今ECにCRMが必要なのか?

すでに述べたようにECを取り巻く状況は、今後徐々に厳しいものとなっていく可能性があります。
成長が鈍化しつつある市場のなかで多くの競合と戦ってビジネスを成長させていくためには、既存の顧客とのつながりを強めていく取り組みが急務といえるでしょう。

一般に、新規顧客の獲得には既存顧客の5倍のコストがかかる(1:5の法則)といわれます。獲得した顧客との間に良い関係を構築し、長期にわたってお付き合いいただけるような素地をつくることができれば、ビジネス全体の利益率向上にも役立ちます。

加えて、近年になりO2O(※1)やオムニチャネル(※2)のような施策が浸透しつつあることも、CRMの重要性が高まりつつある理由のひとつであると考えられます。ネットショップ、実店舗、アンテナショップ、SNSといったさまざまなチャネルを統合し、どのチャネルで接触した場合にも変わらぬサービスを提供するためには、CRMをベースとした顧客情報の管理が必須です。

※2 O2O:オンラインとオフラインの実店舗を連携させる取り組み。詳細は、コラム「基本を知れば意外と簡単!今さら聞けない「O2O」をズバリ解説します」や「オンラインの活動で実店舗へ集客!O2Oマーケティング」にてご確認いただけます。

※3 オムニチャネル:実店舗、ネットショップ、アプリ、SNSといった複数のチャネルを統合して施策を講じる取り組み。詳細は、コラム「大激戦のオムニチャネル市場。勝てる戦略はこれだ!」でもご確認いただけます。また、オムニチャネル成功のヒントとしてご活用いただけるeBook「オムニチャネルが失敗してしまう3つの落とし穴」もあわせてご確認ください。

 

まずは身近なところからCRMに取り組もう

この記事では、ECサイトにおけるCRMの重要性を理解するために、ECを取り巻く状況やCRMが注目されている理由などについて解説しました。

CRMの導入で効果を上げるためには、念入りな準備と継続的な取り組みが必要であり、ツールを導入すればすぐに効果が出るというものではありません。しかし、CRMは経営活動の上位に位置づけられる、非常に重要な活動であることは間違いありません。

まずは顧客情報のデータベース化、顧客とのコミュニケーション履歴の記録といった身近なところからCRMへの取り組みに着手してみてはいかがでしょうか。

図書印刷では、顧客情報を整理し、データ分析を通じて顧客に最適なかたちでアプローチしていく支援をしております。図書印刷の提供するデジタルマーケティング支援サービスについては、以下のページで詳しくご紹介しています。ぜひあわせてご確認ください。

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