校正、校閲とは何か?その違いや役割と重要性を解説

校正、校閲とは何か?その違いや役割と重要性を解説

コミュニケーション

石原さとみ主演のドラマ『校閲ガール』により、近年、一般の方にも認知されるようになった「校正」や「校閲」。新聞など公共性の高いメディアや、書籍を発行する出版社、印刷物を制作する企業などでは昔から非常に重要視されている業務です。

校正、校閲を徹底すると表現・表記ミスによるトラブルを防ぎ、コンテンツへの信頼度を担保することができます。本記事では 校正と校閲の違いや、それぞれの役割と重要性を解説します。

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校正と校閲の違いとは?

校正と校閲はそれぞれコンテンツの誤りを発見し訂正する業務ですが、チェックする内容が異なります。いずれもコンテンツ制作において大変重要なプロセスなため、大手の新聞社、総合出版社、印刷会社などには専門の部署があるところもあり、校正、校閲のプロフェッショナルが業務を担当しています。

校正とは?

元の原稿と照らし合わせて、作成中のコンテンツに誤植や、色彩の違いなどがないかを確認します。また、誤字脱字などのミスの発見、修正も行います。

校閲とは?

誤記はもちろん、表記の揺れ、事実関係の誤り、差別表現や不快表現などの不適切表現の有無まで、幅広くチェックし訂正していく仕事です。また、同じコンテンツ内で論理構成や内容に矛盾が起きていないかも確認します。

コンテンツの品質を底上げする校正、校閲

誤字脱字や表記の揺れがなく、エビデンスに基づいて書かれた文章は読みやすく説得力があります。校閲業務となると、単純な文字の誤りだけでなくコンテンツの内容にまで踏み込み、徹底した事実確認のもと、著者ですら気づかないような間違い、表現上の矛盾点などを発見し修正します。

校正、校閲とは、いわば著者や編集者の仕事をさらにブラッシュアップする業務であり、コンテンツ制作において「守護神」「最後の門番」「ゴールキーパー」などと表現されることもあります。文章力はもちろん、幅広い教養、法令の知識なども必要な頭脳労働です。

内容が素晴しいコンテンツであっても、小さなミスがあるだけで信頼度は低下します。また、コンテンツに不適切な表現があると、発信者の良識や品位が疑われてしまいます。校正、校閲というプロセスに力を入れることはコンテンツの品質向上につながることはもちろん、企業のブランド力を担保することにもなるのです。

校正、校閲が甘いときに起きるトラブル例

誤字脱字がある文章や不適切な表現のあるコンテンツを発信してしまうと、さまざまなトラブルになる可能性があります。印刷物であれば再度刷りなおすことで余計なコストが発生します。また、ミスをした箇所によっては金銭的な損害が発生することもあります。

インターネット上のコンテンツは修正が比較的簡単ですが、拡散するスピードが速いため、やはり一度のミスが大きなトラブルにつながりかねません。「デジタルタトゥー」と言われるように、永遠に不祥事がネット上に残るリスクもあります。

以下に、校正や校閲が甘かったことによるトラブル事例をいくつか紹介します。

  • メーカー:年末の贈答用カレンダーの日付に配色ミスが発覚。全国の販売代理店からの回収、再製造に費用がかかってしまった。
  • 大手スーパー:セールチラシの特売価格の数字を一桁間違っていることに気づかず配布。赤字が発生してしまった。
  • ITベンチャー企業:医療関連のキュレーションサイトで法令違反の表現が発覚。運営元企業の執行役員が辞任する事態となる。
  • ネットメディア:校正・校閲部門を持たない会社が多く、速報性を重視する性質もあり誤字脱字などが比較的多いため、インターネット記事全般の信頼度が低下。

 

体制を整えて校正、校閲の徹底を

現実には若干の誤字脱字、ミスなどが発生する可能性はどうしても出てきますが、すべてのコンテンツに誤字脱字などのミスがないことがもちろん理想です。

特に、カレンダー、手帳などのようにミスがあると使用に支障が出るものや、社史、周年誌など企業のアイデンティティーを代表するような製作物は、ミスが発覚したときのダメージが非常に大きいため、校正、校閲を徹底することが重要です。

特に校正、校閲が必要なコンテンツ例

  • カレンダー・手帳:日付や曜日、暦の情報に誤りはないか
  • チラシ:商品の画像や金額に誤りはないか
  • カタログ:製品スペックに誤りはないか、目次や索引に誤りはないか
  • 社史、周年誌、記念誌:事実関係や人物名に誤りはないか、表記や文体が統一されているか

クオリティーの高いコンテンツを制作するためには、自社でも人員を投入して徹底した確認をすると同時に、制作会社を選定する際も、品質の高い校正や校閲の体制がとれる企業かどうかを一つの判断基準にすることが望ましいでしょう。そして、自社と制作会社の分担範囲を明確にして校正、校閲を行い、コンテンツを完成させましょう。

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インターネット上での情報発信も慎重に

近年は、ホームページや企業ブログ、WEBマガジンなど、インターネット上で情報発信を積極的に行っている企業や団体も増えています。これらの「オウンドメディア」についても、きちんと校正、校閲を行った上で情報発信を行いましょう。インターネット上のコンテンツは、印刷物とは異なりすぐに修正することができるとはいえ、多くの人の目に触れる可能性があります。正しい情報の発信を心掛けることが重要です。

「オウンドメディア」について、以下の無料eBookで詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

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まとめ

校正や校閲はコンテンツを世の中に流通させる前に徹底してチェックする仕事です。地味ではありますが、コンテンツや企業の信頼度を底上げする業務であり、非常に重要な役割を果たしています。近年はちょっとした不適切な表現でも、インターネット上で多くの人から指摘されトラブルにつながりかねない時代です。今後は、一部の業界だけでなく一般企業や個人が発信するコンテンツにおいても、校正、校閲を行うことの価値が重要視されていくでしょう。

図書印刷のコンテンツ制作時の校正・校閲体制

図書印刷では、カタログ、カレンダー、周年記念誌などの制作の際に、内容や用途に応じて適切な校正・校閲ワークフローを構築します。専門の校正・校閲スタッフが、目視だけでなく、必要に応じてデジタル技術を導入した校正手法も取り入れて、お客様が伝えたい情報を正確に表現するためのサポートをいたします。

詳しくは以下のページからご確認ください。

特にカタログ制作については、当社では効率的に校正業務を行えるツールを用意しています。「品番や価格のチェック」「用語表記のバラつき防止」といったの課題をどのように解決したのか、成功事例4つを無料eBook「4つの成功事例でみる「データ・リレーション・ファースト」によるカタログ制作の効率化」で紹介しています。ぜひあわせてご確認ください。

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