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D2Cとは?メリットや成功のポイント、事例をわかりやすく解説

D2Cとは?メリットや成功のポイント、事例をわかりやすく解説

D2C(Direct to Consumer)とは、企業が製品の企画・製造・販売を一貫して行うビジネスモデルのことです。ECサイトを中心とした通信販売のビジネスで、自社ECのサービス充実を背景に参入企業は増えています。この記事ではD2Cのメリット、事例とあわせて成功のポイントなどをご紹介します。(2023年12月22日更新)

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目次

D2Cとは?

D2C(DtoC)とは「Direct to Consumer」の略で、メーカーやブランドが自社商品を直接、消費者に販売するビジネスモデルのことをいいます。混合しやすい他のビジネスモデルとして、B2BやB2Cがあります。

B2Bとは

B2Bは企業間の取引を指す言葉です。法人の営業担当が販売することもあれば、モノタロウやアスクルのようにB2Bサービス用のECサイトで取引されることもあります。

B2Cとは

B2Cは企業(Business)と消費者(Customer)の取引全般を指す言葉です。

B2Cは特にD2Cと混合しやすいですが、D2Cは中間業者の入らない、企業と消費者のダイレクトな取引であるのに対し、B2Cは、楽天市場やAmazonといった中間業者が入る場合も該当します。

D2Cの現状

昨今ではECサービスが充実し、ECの立ち上げが容易になったため、EC事業の参入数は年々増加傾向にあります。

BtoC-EC市場規模の経年推移

BtoC-EC市場規模の経年推移
(市場規模の単位:億円)

日本ではD2Cは他のビジネスモデルと比べて歴史が浅いため、D2Cに関する正確なデータはまだ報告されていません。しかし、新型コロナウイルスの流行に伴ったオンラインショップの需要増加により、D2Cの市場規模は拡大を続けています。

また、米国の市場調査会社であるeMarketerによると、米国のD2C eコマースの売上は、過去6年間で3倍以上に増加しています。 2024年には2,000億ドル以上の市場になると予測されており、市場規模は右肩上がりに成長を続けているようです。

今後のD2Cサービスは、顧客のニーズに合わせて今まで以上に形を変えていくことは間違いありません。 環境への配慮やブランドの世界観といった、商品そのもの以外の価値を重視する顧客は増えてきています。 顧客のニーズや時代の要請に応じて企業のあり方は変わってきており、D2Cサービスも例外ではないでしょう。

D2Cのメリット

ここからはD2Cによって企業が得られるメリットを詳しく解説します。
D2Cサービスの具体的なメリットは以下の3つです。

1.収益率が高い
2.マーケティング施策の幅が広い
3.顧客データを収集できる

従来の販売モデル図D2Cの販売モデル図

メリット①収益率が高い

D2Cの大きなメリットは、商品の開発から販売までを自社で行うため、中間業者に支払っていた手数料が浮いて、収益率が高くなることです。中間業者というのは、小売店、卸会社、流通企業、ECモール(楽天市場、Amazonなど)などを指します。

メリット② マーケティング施策の幅が広い

自社サイトであれば、モールの制約がないため取れる施策の幅が広くなります。施策の結果も数値で追うことができるので、効果の高い施策を選び、改善を繰り返して精度を上げるといった取り組みができます。

メリット③ 顧客データを収集できる

ほしい顧客データを取得しやすいのもD2Cのメリットのひとつです。自社のECサイトでは、サイトに訪問した人の滞在時間、離脱したページなど、さまざまなデータを取得することができます。それらをもとに、サイト訪問から商品購入に至るまでの効果的な施策を実施することができます

ほかにもモール型ECサイトと異なり、他社の商品と比べられる機会が減るという面があります。そのため、価格競争を回避でき、顧客が定着すれば乗り換えにくく、安定した収益を期待できます。

ただ導入するだけでは失敗する!?D2Cビジネスの注意点

企業にとってメリットの大きいD2Cですが、ただ自社ECを立ち上げただけでは売上を上げることは難しいでしょう。楽天市場やAmazonといったモール型ECと比べると、自社ECサイトは消費者がたどり着く機会が少ないことが挙げられます。加えて、日常的にオンラインショッピングをする人であっても、明確な理由がなければ初めて訪れたECサイトでは商品を買わない傾向にある(※) ということも注意しなければなりません。

ネットショップ担当者フォーラム 「市場調査会社のConsumer Intelligence Research Partners社よると、消費者の88%は直近の買い物でGoogleなどの検索エンジンや競合サイトを使わずに、Amazonで商品を検索し購入しています。」

これらの壁を乗り越えてD2Cを成功させるためには、売り方を工夫する必要があります。次項ではD2C成功のためのポイントをご紹介します。

D2Cの成功事例

D2Cを成功させるためのポイントは、サイトへの流入を増やすことと、顧客の「ファン化」にあります。中でも顧客の「ファン化」は、リピーターを増やすために非常に重要です。

ここでは成功事例をもとに、D2C成功のためのファンを増やすポイントを解説します。

成功のポイント① 世界観を重視したブランド戦略で大きく飛躍

AWAYサイトイメージ引用:AWAY

米国のスーツケースブランド「AWAY」は、2015年創業から2年半後には50万個を売り上げました。 老舗ひしめく寡占市場で成功した要因のひとつに、世界観を重視したブランド戦略があげられるでしょう。
彼らは、顧客が本当に求めるのは「スーツケース」ではなく「素敵な旅行」だと考えました。そして、ブランド戦略として旅行の写真やエピソードを紹介する雑誌を販売したのです。カタログの機能はほとんどなく、写真にスーツケースが映り込んでいる程度です。 しかし、ブランドの世界観を素敵な旅行のワンシーンに設定したことで、顧客は世界観に共感し、結果としてそこに登場するスーツケースにも興味を持たせることに成功したのです。
顧客が求める体験をブランドの世界観に設定し、発信することで成功を収めた事例といえるでしょう。

成功のポイント② 徹底的に顧客の声を吸い上げ、高速で製品を改良

Allbirdsサイトイメージ引用:Allbirds

米国のスニーカーブランド「Allbirds」は、顧客のフィードバックを重視することで成功しました。
D2Cには、顧客と直接やり取りすることで商品へのフィードバックを吸い上げやすいという特長があります。彼らはこのメリットを利用し、頻繁に顧客のフィードバックを開発につなげることで、まるでWebサービスのように商品のマイナーチェンジを繰り返したのです。
もちろん、環境に優しい素材の使用、履き心地へのこだわりといったブランドコンセプトも成功要因のひとつです。しかし、フィードバックを繰り返し商品に反映して顧客と深い関係を築いたことで、こういったコンセプトが受け入れられる土壌を醸成できたともいえるでしょう。

成功のポイント③ SNSを活用した、顧客とのコミュニケーション

Afternoon Teaサイトイメージ引用:Afternoon Tea

株式会社サザビーリーグが運営するブランド「Afternoon Tea」では、InstagramやTwitter、Facebookで毎日情報を発信しています。商品の紹介をした投稿にはオンラインショップへのリンクが貼られているため、興味を持った顧客がスムーズに購入に進められるようになっています。
なかでも「Afternoon Tea LIVING」のオンラインストア公式Instagramアカウントでは、投稿に対して寄せられたコメントに返信して、顧客とのコミュニケーションを積極的に行っています
こうした取り組みは、コメントを送ったフォロワーと深い関係を築けるだけではありません。ポジティブなやり取りを見たほかのフォロワーに対してもブランドイメージを向上させる効果を生み出しています。

D2Cを成功させる4つのポイント

では、実際にD2Cビジネスを展開する際には、どのようなことに注意すればよいでしょうか?
D2Cを成功させる4つのポイントは以下の通りです。

1.軌道に乗るまで焦らず時間をかける
2.社内の組織体制を整える
3.消費者とのコミュニケーション
4.商品の魅力を上げる

導入のポイント① 軌道に乗るまで焦らず時間をかける

Amazon、楽天などのモールに集客を頼ることができないので、自社によるマーケティングで商品の認知、ブランド力を高めていかなければなりません。特に新しくビジネスを立ち上げる場合はなおさらです。じっくりとファンを育成する必要があるので、施策の効果が表れるまでにはある程度の時間がかかると見ておきましょう

導入のポイント② 社内の組織体制を整える

自社製品を直接消費者へ販売するD2Cは、卸や小売店への販売とは方法が大きく異なるため、社内の業務体制もそれにあわせて構築する必要があります
必要なセクションと連携例が下の図になります。社内メンバーが限られている場合には、外部スタッフを含めた体制づくりも検討しましょう。D2C運用の社内体制図

導入のポイント③ 消費者とのコミュニケーション

D2Cへの参入で大きく変化するのは、消費者と積極的に直接コミュニケーションをとる必要がでてくるという点です。SNSやブログなどさまざまなチャネルを通じてファン獲得とLTVの向上につなげていきましょう。消費者に対してこのような顧客体験を積み重ねることが、ブランドを育てることにもつながります。

導入のポイント④ 商品の魅力を上げる

これはD2Cに限らずどのようなビジネスモデルにもいえることですが、マーケティング力だけが高くても、販売する商品に魅力がなければ、成功し続けることはできません。いいものが必ず売れるとは限りませんが、売れるものはほぼ間違いなくいいもの(=消費者のニーズにマッチするもの)なのです。マーケティングの基盤を整えるのと並行して、顧客からのフィードバックを反映して、より魅力的な商品になるよう改良し続けたいところです。

ポイントを押さえて効果的な導入を!

Webマーケティングのインフラが整備されてきた昨今、ECサイトを構築して直販を始めるのはさほど難しいことではありません。ですが、無計画にEコマースを開始したとしても、長期的に望ましい成果を上げ続けることは難しいでしょう。
顧客、商品、自社のマーケティング力などを改めてじっくり見直し、適切な体制を整えたうえで、万全を期してD2Cに取り組みましょう。

図書印刷では、ECサイトの企画・構築やWebマーケティングなど、企業のデジタルマーケティングを支援しています。D2Cをこれから始めたいとお考えの方、すでに実施していて課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。 お問い合わせはこちら

「自社ECサイト構築の教科書-成功のための5つのポイント-」では、自社ECサイトを立ち上げるメリットや、成功と失敗をわけるポイントを解説しています。ECサイトの構築・リニューアル・改善のご参考として、ぜひご一読ください。

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以下のインタビュー記事では、EC多店舗展開を考えるお客様に、図書印刷がどのようにサポートさせていただいたかの事例をご紹介しています。
ECサイトを検討されている方は、ぜひこちらもご覧ください。
・3年間で売上10倍を目指し、ECサイトの多店舗展開に着手~マクセル様 導入事例【前編】
・EC多店舗展開をわずか5カ月間で実現。購入件数も150%に増加~マクセル様 導入事例【後編】

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