社員教育の目的とは?効果的な時期やカリキュラムを紹介

人事・総務

大手企業であれ、ベンチャー企業であれ、成長している企業の多くは社員教育に熱心に取り組んでいます。社員教育は企業の生産性向上につながる重要な要素といえます。このコラムでは、社員教育の目的や効果、効果的なタイミング、具体的なカリキュラム例などについて紹介します。

社員教育の目的、効果について

社員教育の目的は、もちろん社員の能力向上です。社員が持続的に成長していくためには、企業は社員の成長ステージに合わせた適切な教育を行う必要があります。社員教育と生産性向上の相関関係については、いろいろなデータが出ています。

内閣府が発表した平成30年度経済財政報告(経済財政白書)原案では、企業による人への投資や学び直しの重要性を指摘しており、企業の社員教育などの人材への投資が1%増えると労働生産性は0.6%高くなると試算されています。(出展:人材投資が生産性に直結、経財白書「1%増やせば0.6%向上」|日本経済新聞

また、日経メディア3誌が調査した「1人当たり研修費ランキング」の上位には大手商社をはじめ優良企業が勢ぞろいしています。競争力の高い企業ほど、社員教育に熱心なことがうかがえます。(出典:「人を活かす会社」調査より【2】 社内教育にチカラ!1人当たり研修費ランキング│日経HR Labo

さらに、厚生労働省も2018年版の労働経済白書のなかで、OFF-JTに投資した企業は次年度の労働生産性が13%、売上高が17%、自己啓発に投資した企業は労働生産性が21%、売上高が19%伸びるという分析結果を紹介しています。また、社員教育に熱心な企業の社員ほど仕事へのモチベーションが高い傾向があることも触れています。(出典:人材育成で売上高向上、労働経済白書|日本経済新聞

社員教育の種類と効果的なタイミングとは?

社員教育には、現場で行うOJTと、現場から離れて行うOFF-JT(集合研修、自己啓発支援)があります。

集合研修は一般に、入社、異動、昇進など、社員が新しい環境で仕事をする時期に行われます。また、ITスキル、英語、法律改正の知識など、その都度企画するタイプの研修もあります。今後のビジネスで必要になる技能を身につける研修は、他社より早期に実施することがポイントです。他社に比べて知見の高い社員が増えることにより、企業の対外的な評価も高まるでしょう。

ただし、集合研修は社員の業務の負担になる場合もあるため、実施するタイミングが重要です。繁忙期を避け、かつ短期間で行うことがベターです。研修の内容によってはオンライン研修システムを利用し、社員が拠点の会議室や自分の机で受講できる研修スタイルに変更すると効率的です。これまでの研修内容も一度、集合研修とオンライン研修のどちらに適しているか分類してみましょう。今後実施する研修の費用対効果を高めることができます。

近年はインターネット環境が普及したためeラーニングシステムも進化しています。モバイル対応システムを導入すると、社員は自宅、移動中、休憩時間などに気軽に学習できます。カリキュラムも集合研修と遜色ないほど多彩になりつつあるので、自己啓発支援だけでなく、集合研修のフォローアップツールとして活用することも有効です。

集合研修のカリキュラム例

とはいえ、企業理念の浸透やマインドセット、エンゲージメントの醸成などが目的の場合は、やはり集合研修スタイルが適しています。特に、新入社員研修、管理職研修などの階層別研修は、企業にとっても社員にとっても重要な研修であり、社員間のコミュニケーションを促すためにも一堂に会して行うのがよいでしょう。代表的な階層別研修の目的とカリキュラム例を紹介します。

新入社員研修のカリキュラム例

目的

社会人、組織人としてのマインドセットを身に付けることが目的です。社会のルール、企業の理念、事業内容、就業規則、コンプライアンス、ビジネスマナーを学び、職場配属後スムーズに社会人としてスタートできるようにします。

カリキュラム例

  • 企業理念、会社の価値観の共有
  • 組織表をもとに事業内容を紹介
  • ビジネスマナー(あいさつ、お辞儀、名刺交換、電話、メール、来客対応)
  • 先輩社員からの職場紹介、体験談
  • 心理テストを使った自己理解及び他者理解
  • 業界独自の基本スキル研修

中堅社員向けカリキュラム例

目的

入社して数年たつ社員のスキルアップやマインドセットが目的です。企業が中堅社員に求めている役割を、研修を通じて理解してもらうことが重要です。入社3年を超えると仕事にも慣れてくるため、日々の業務を何となくこなしてしまう社員も出てきます。そのため、より高い目標を持って仕事に取り組むための刺激となるカリキュラムや、後輩を指導するときに役立つカリキュラムなどが望ましいと言えるでしょう。

カリキュラム例

  • ロジカルシンキング
  • プレゼンテーション
  • 問題解決思考方法
  • コーチングの基礎
  • コミュニケーション
  • チームビルディング
  • ITスキルアップ

管理職研修カリキュラム例

目的

マネージャーとしてのマインドセット、基礎スキルを身に付ける研修です。プレイヤーとマネージャーの役割の違い、部下をコーチングする能力やマネジメント能力の重要さ、リーダーに求められる人間像などを理解し、マネージャーとしてのマインドセットを体得してもらいます。近年、マネージャーに求められる能力は高度で幅広くなっています。マネジメントの基礎知識に加え、メンタルヘルス、ハラスメント、コンプライアンスの知識は必須です。

なお、2019年からは、働き方改革関連法が施行されます。大企業は2019年より残業時間の上限規制が適用されるため、マネージャーはこれまでよりも短時間で生産性を上げるマネジメントを行う必要があります。また、そのために必要なITツール・システムの知識や使い方を理解しなければなりません。管理職研修だけですべての内容を深く掘り下げることは難しいでしょうが、概要を研修し意識を高めることは可能です。基礎的な知識を理解すれば、eラーニングを活用し自分自身でさらに理解を深めていくことが容易になります。

カリキュラム例

  • マネジメント
  • コーチング
  • メンタルヘルス
  • ハラスメント
  • コンプライアンス
  • ワーク・ライフ・バランス
  • タイムマネジメント 

eラーニングのカリキュラム例

近年はeラーニングのカリキュラムも多彩で、基本ビジネススキル、階層別教育、資格取得対策など幅広いテーマがあります。eラーニングは基礎知識の習得や、継続した学習が必要な場合に特にマッチしています。時間・場所を問わず学習できるeラーニングは利便性が高く、受講者は気軽に学習できます。集合研修のフォローアップツールとしても、自己啓発のためのツールとしても適しています。

カリキュラム例

  • ビジネスマナー
  • ITスキル(Word、Excel、PowerPoint)
  • ビジネス英語(英文メール、TOEIC対策)
  • 職種・専門分野別カリキュラム 

ビジネス基礎力向上のためのeラーニング:BIZSTEP(ビズステップ)

社員にビジネスの基礎知識を習得させるeラーニングとして、図書印刷では「BIZSTEP(ビズステップ)」を提供しています。

BIZSTEPには、すべてのビジネスパーソンが身に付けておくべき基礎知識として「コミュニケーション」「マーケティング戦略」「経理・財務」「ITリテラシー」などの幅広いコンテンツを搭載しています。そのなかから、受講者一人ひとりに合わせた個別のカリキュラムをシステムが自動で生成してくれるため、「あまり負荷をかけられない」「どのような内容を学ばせたらよいかわからない」などという社員教育担当者の悩みも解消。

スマートフォンでも学習でき、マイクロラーニング設計のため、受講者はスキマ時間を活用して気軽に少しずつ学習を進めることができます。

>BIZSTEP詳細はこちら

これからの時代に必要な研修のテーマは?

ビジネスのグローバル化、デジタル化、IoT、AIの登場など、これからのビジネス環境は大きく変化します。AIが登場すると、現在の仕事の約半数近くが無くなるとも言われています。その時代にどのような人材が優秀とされるかは現時点では想像するしかありませんが、社員教育の担当者は将来を見据えて研修企画を立てる必要があります。

例えば、エンジニアだけでなく一般社員も「IoT、RPAなどのテクノロジーを使って何ができるか」を学ぶことで、現場での業務効率化が推進でき、新規事業のアイデアが生まれやすくなるでしょう。先の見えない時代であるからこそ、他社よりも一歩先んじて新しい知識や使いこなし方を社員に研修する価値があると言えます。

また、今後は国内若年層人口の減少により、労働力の確保の一つの手法として外国人の採用が増えることが予測されます。グローバル人材研修、ダイバーシティ研修なども定期的に行い、社員の意識変革を促す必要も出てくるでしょう。

今後必要になると予測できる研修テーマとしては、以下のようなものが考えられます。

  • IoT入門
  • RPA入門
  • AI入門
  • グローバル人材
  • ダイバーシティ

時代にマッチした社員教育が大切

社員教育は社員の能力向上と企業の生産性につながる重要な投資です。近年はビジネスのIT化、グローバル化により社員に求められる能力はますます高くなっています。OJTだけに頼るのではなく、OFF-JT、eラーニングなども積極的に取り入れ、社員の能力を高めていきましょう。

 

参考:

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