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図書印刷の匠

昭和の町を走る鉄道の風景を再現した『動くPOP』をつくりたい〈書店POP製作〉

くずし字解読用例辞典 CD-ROMイメージ
週刊・昭和の「鉄道模型」をつくる
株式会社講談社
クリエイティブ・センターコンストラクションデザイナー
小坂  雅幸

   週刊、隔週刊などで発行され、全号を集めることにより一つのライブラリーが完成する「パートワーク誌」。近年ブームとなっているパートワーク市場に、一年前、新たなヒット作が誕生した。株式会社講談社発行の『週刊・昭和の「鉄道模型」をつくる』だ。

   本作は毎号同梱される付録パーツを集め、組み立てることにより、昭和の町並みを1/144スケールで完全再現したジオラマが完成する。最大のポイントはそのジオラマの中をリアルなNゲージが実際に走ること。同社にとって初の試みである付録付きパートワーク市場だけに、その販促戦略にも力が注がれた。

   講談社宣伝部の狙いはテレビCMで見せたNゲージの走るジオラマ風景を店頭でも再現すること。情報量の多い書店内では、リアルで動きのあるPOPこそがインパクトを持つからだ。しかし、そこにはいくつかの問題点がある。まずはメンテナンス。Nゲージのような精緻なメカでは書店サイドに煩わしいメンテナンスの手間がかかってしまう。そしてもうひとつ。Nゲージの線路上を走る銅線には電流が通っており人が触れたときに怪我をする恐れがある。これらの問題を解決するため、図書印刷の企画制作部門・株式会社クリエイティブセンターの小坂雅幸が乗り出した。「常識にとらわれずに発想すること」を信条とする小坂は考えた。「Nゲージをやめよう」と。

   構造設計26年の実績を持つ彼のアイデアは、紙で作られた昭和の町の中を鉄道模型を乗せた丸いターンテーブルが回転するもの。これならば、電流を流すことなく回り続けるので、難しいメンテナンスも事故の危険性もない。しかし、まだ問題点は残る。ターンテーブルのスムーズな回転や全体のサイズ調整など、小坂のチャレンジは続いた。

まさに昭和の「鉄道模型」
を再現した動くPOP

   そして試作品完成のとき…
その場で見ていた誰もが、その世界観に圧倒された。まさに昭和の町をNケージさながらの鉄道模型が『走っている』のである。ターンテーブルが廻っているだけの紙製のPOPは、どこから見ても、実物と遜色のないリアリティとインパクトを醸し出していた。